隙間バイトアプリで学童保育募集はNGか

「学童保育の担当者をスキマバイトアプリで募集」というニュースを目にしました。さいたま市は2024年4月から「放課後子ども居場所事業」を実施しています。小学校の空いた教室や校庭を利用して、放課後の子どもたちの居場所を提供する事業です。

この事業を委託された民間企業が、隙間時間に短期・単発で働ける隙間バイトアプリで職員を募集しました。4時間程度の稼働で日給は4700円です。採用にあたって、履歴書提出不要、面接はなし。個人情報の取り扱いに関するへのサインが必要という条件でした。放課後児童支援員は資格が必要なのですが、今回の募集は補助員ということで資格の保有については問わなかったそうです。

この求人をめぐって市議会で議論がありました。ある市議は「子どもに関わる仕事に簡単に入ってしまえることがまず怖いと思った。しっかり市として確認しないといけない」と語りました。子どもをもつ親からは「アプリでの採用がわかったら転園します」という声も上がっているそうです。

このニュースを見てまず疑問に思ったのは「なぜ隙間バイトアプリで採用される人材は質が劣るという前提で議論されているのだろう」ということです。このアプリは「空いている時間を有効活用したい」という労働者のニーズと「スポットで生じる人材不足を解消したい」という使用者のニーズをマッチングさせるものです。「隙間時間を有効活用して稼ぎたい」とう希望を持っている人が、労働者として質が低いと断定できる根拠はありません。

今回の募集では、採用に当たって面接を不要としています。面接がないと、学童保育の現場にふさわしくない応募者を弾けなくなる可能性があります。そういった理由から、面接は必要ではないでしょうか。選考のプロセスがしっかりしていれば、どのような応募媒体であっても採用する人材の質は保てると思います。

今回、さいたま市から委託された業者が隙間バイトアプリで募集をおこなった背景として「応募者がこない」ということがあると推測されます。市の公式ページや、保育の仕事に特化した求人サイトなどの募集だけでは応募が来ないのではないでしょうか。

1日4時間の勤務で日給4700円。普通に考えると、この仕事だけで生活するとしたら相当切り詰める必要があります。この内容で長期間働けるのは「主婦(主夫)をやっているけど少しは働いてみたい」といった人くらいでしょう。そういった人たちの絶対数は限られているので、なかなか集まりません。そこで間口を広げて、短期でも働ける人を探すために隙間バイトアプリで急委jんを出したのではないでしょうか。

子どもを預ける保護者が「学童の担当者を隙間バイトアプリなんかで募集するな」とか「長期で責任をもって働ける人を採用して」と希望を出すのは自由です。ただ、そういった希望を満たすためには担当者の給与を大幅に引き上げる必要があるでしょう。「長期間責任をもって子どもに向き合ってくれる人」は、なかなか日給4700円では来てくれません。

隙間バイトアプリで学童担当者を募集している現状が問題であると考えるならば、さいたま市は予算を増額して担当者の給与を上げる必要があります。あるいは、現行の条件で採用条件を厳しくするという手もあります。その場合「必要な人材を確保できなかったため預かりを中止する」といったリスクを受け入れる必要があります。コストをかけずに質を上げるようなうまい方法はないのです。

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