ちょっと視点を切り替えることで答えが見えてくる論理パズルを紹介します。多少計算は出てきますが、小学校高学年でも解けなくはない問題です。
あなたはあるゲームに参加する。このゲームはあなたを含めて6人でおこなう。あなた以外の5人は、ひとつの部屋に集められる。部屋の中にスタッフが入ってきて、5人に帽子をかぶせていく。それぞれの帽子には1から10までのうちどれか1つの数字が書かれている。数字は重複している可能性もある。5人は自分以外の4人の帽子に書かれた数字を見ることができるが、自分の数字はわからない。
あなたは別の部屋にあるモニターで5人全員の数字を見ている。その後あなたは赤いカードか青いカード、どちらか1枚を5人のうち誰かに届けるようスタッフに指示する。5人のうち誰かが赤いカード、または青いカードを受け取ったら、5人は自分の帽子に書かれた数字を同時に答えなければならない。全員が正解できればあなたたちの勝ちとなる。不正解または無回答がひとりでもいれば負けだ。
あなたたちはゲームをおこなう前日にこのルールを知らされており、事前に作戦会議ができる。このゲームに必勝法は存在するだろうか。あればそれを説明してほしい。もちろん、声やジェスチャー、あるいはあなたが渡すカードに何か書くといった方法で情報を伝達することはできない。
問題を解くにあたって、状況を正しく理解することが重要です。5人の数字は重複しないという条件であれば、例えば他の4人の数字が1, 2, 3, 4だったら自分の数字は5~10のうちどれかだなと推測できます。しかし問題の条件によると「5人の数字は重複している可能性もある」ということなので、他人の数字を見ただけでは自分の数字を推測するヒントにはなりません。
ここで別室で5人の数字を見ているあなたの動きが重要になります。「赤か青のカードを5人のうち誰かを指名して渡す」ということは、このアクションによってカードの2種類×5人=10通りの情報を伝達できます。
しかし5人の数字のパターンは、10の5乗で10万通りもあります。カードを渡すアクションではカバーしきれません。5人の数字の合計に注目してみましょう。もしあなたが5人の数字の合計を伝えることができれば、5人は他の4人の数字は見えているのですから、
5人の合計ー自分から見えている4人の合計=自分の数字
という計算で自分の数字を当てることができます。
5人の数字の合計であり得る範囲は、5(全員が1のとき)から50(全員が10のとき)の46通りあります。10万通りよりはだいぶ絞り込めましたが、あなたが伝えられる10通りよりはまだ多い。しかしここまでくれば正解は目の前です。
正解は以下の通りです。
・カードの渡し方10通りに対して、1から10までの数字を割り当てる。
例えば「赤いカードをAに渡したら1, 赤いカードをBに渡したら2,・・・」のように。
・5人の数字を合計したときの1の位の数字に対応するカードの渡し方を指示する。
・カードの渡し方に割り当てられた数字をAとする。5人が見えている自分以外の4人の数字の合計をBとする。AからBの1の位の数字を引いたとき、正の数であればその数字をCとする。0または負の数であればそれに10を足した数字をCとする。Cがあなたの帽子に書かれた数字である。
こうやって書くとわかりにくいかもしれません。実際にやってみると理解できると思います。例えば5人の数字が
A:3 B:4 C:6 D:6 E:8
だったとします。この場合5人の合計は27です。「青のカードをCに渡すのは7を意味する」と事前に打ち合わせしていたので、あなたはその通りスタッフに指示します。
Cにカードが渡された後、5人の合計の1の位は7であると全員が理解します。Aの場合、自分以外の4人の数字の合計は24、1の位は4です。7 – 4 = 3ということで自分の数字は3であるとわかります。Eの場合、自分以外の4人の数字の合計は19、1の位は9です。7 – 9 = -2ということで負の値なったので10を足した数、8というのがあなたの数字です。どのようなパターンであってもこの方法で全員が自分の数字を当てることができます。
数字が1から10の範囲という条件がなければ、5人の合計の1の位がわかっても自分の数字を絞り込めません。例えば5人の合計の1の位が7で、自分以外の4人の合計の1の位が4だとします。各自の数字の範囲に制限がなければ、自分の数字は3以外にも13、23などいくらでもあり得ます。数字が1から10までという制限があるので、1の位の情報だけでも自分の数字がわかるということがポイントでした。