前回のブログでは、「子どもだけでの登下校が禁止となる」といった内容を含む条例改正案を話題にしました。この案は各方面から批判が相次ぎ、結局取り下げられることになりました。
発案者の県議員は改正案撤回会見で語った内容の要点は以下の通りです。
・安全配慮義務の説明が不足していた
・内容には問題がなかったと認識している
・修正や再提出は考えていない
これを見ると、いろいろ疑問が湧いてきます。「子どもだけの留守番、登下校、遊びなどが禁止される」という案が現実的でないという理由で批判されています。これについて、どのような説明をすれば批判している人を納得させられるのか、よくわかりません。
また、「説明不足だったが内容には問題がない」と認識しているのであれば、いったん撤回した後でしっかりと説明をして再提出すればいいのではないでしょうか。「現実的でない案を出してしまいました。すいません。撤回します」と素直に謝ればいいのに、謝れない人というのはどこにでもいるものです。
他にも「誤解を招いてしまい申し訳ない」というフレーズもよく聞きます。例えば、公の場やSNSで発信した内容が「差別発言だ」「問題発言だ」と批判されたときに、このフレーズが使われることがあります。
「発言に差別の意図はなかったが、あなたたちが間違った解釈をしてしまったようです」という思いが伝わってきます。現代では、こういった発言は「謝罪になっていない」としてさらに炎上するリスクがあります。
この発展形として「誤解を招いたとしたら申し訳ない」というフレーズがあります。発言に対して、現実に批判が起こっているからこういったコメントをしているのです。それにもかかわらず、「誤解を招いたとしたら」という仮定形で話しています。「絶対に自分に非はない」という強い思いが感じられます。
組織の人間や、組織が委託している業者が不祥事を起こした際、組織のトップが「このようなことが行われていたとは知らなかった。とはいえ、我々には監督責任がある」といったコメントをすることがあります。
トップが本当に伝えたいのは「私は知らなかった」ということです。しかし、それだけでは「知らなかったでは済まされないぞ!」と非難されるので、仕方なく下の句で「責任がある」と付け足しています。
組織のトップは、プロセスではなく結果に対して責任を取る必要があります。大量の個人情報が流出したら、委託業者がやったことでも、サイバー攻撃を受けた結果だとしても、トップが謝罪します。「委託業者が金欲しさでやった行動だからしょうがない」「普段からサイバーセキュリティには気を付けていたんだから、今回はしょうがない」とはならないわけです。
自分の責任を回避するような言い方をしたくなるのは、人間の本能かもしれません。しかし、多くの場合、素直に責任を認めて謝罪した方がダメージが少なくなることの方が多いのです。