9月9日は救急の日

今日は9月9日ということで、「救急の日」だそうです。ちょうど先日、普通救命講習を受講しまして、講師の方がこんなことを語っていました。「私が救急隊員になった20年前、東京都の救急出動件数は50万件くらいだった。年々件数が上がっていって、去年は87万件、今年は90万件を超える可能性がある」。

東京都に救急車は270台あるそうです。270台で、年間90万件近い出動をまかなっているんですね。単純計算すると、救急車1台あたり年間3300回、1日平均9回以上出動していることになります。

救急隊1隊あたりの平均活動時間は1日15時間30分を超え、前年を4時間ほど上回ったそうです。東京消防庁の職員募集サイトの情報によると、救急隊員は交代制の勤務です。21日を1サイクルとして、当番日は8時30分から翌日8時40分まで勤務します。21日中7日が当番日で、それ以外はだいたい休みです。休みの日にも、完全オフの日と、何かあったときには出勤する日があるようですが、詳細は割愛します。

約24時間勤務している間に平均9回以上救急出動し、15時間以上活動しているわけですね。救急隊員の肉体的負担や、生命に関わる仕事をしていることによる精神的負担を考えると、かなりのハードワークといえるでしょう。

救急出動が年々増えている原因は何なのでしょうか。高齢化社会による搬送需要の増加は原因のひとつと考えられます。他にも、感染症の流行や夏の高温化に伴う熱中症の増加も要因として挙げられるかもしれません。

そんな中、本来不要と思われるような事例でも救急車が呼ばれてしまうこともあるようです。ネットで調べると、とんでもない理由で救急車を呼んだ事例がたくさんヒットします。

(1)他の病院で長時間待たれたので外に出て行き「腰が痛い」と言って救急車を要請。
(2)入院予定日に、タクシーで行くとお金がかかるので「腹が痛い」と言って救急車を要請。
(3)「蚊に刺されてかゆい」と言って救急車を要請。

こういった理由で救急車を呼んだために、本当に急を要する患者の搬送が遅れるのは避けたいですね。それと同時に、救急車が必要なのに「こんなことで呼んでいいのかな」と思って要請をためらわれるのも避ける必要があり、そのバランスをとるのが難しいところです。

救命講習では、胸骨圧迫(一般的にいうと心臓マッサージ)やAEDの使い方を教わりました。講師の方は「難しくありません。誰でもできます。あとは実際の場面でできるかどうかなんです」と言っていました。まさにその通りだと思いますね。やり方自体は難しくないのですが、現実に目の前で倒れている人がいたとき、習った通りの措置ができるかどうかは別問題です。

普通に立っていたり、歩いていたりした人が、突然倒れたら「何かしなければ」と思うかもしれません。しかし、目にした時点で横になっている人の場合、迷いますよね。「単に路上で寝ているだけなのか?それとも救護活動をしなければならない人なのか?」と。特に周囲にたくさん人がいて、誰も何も対処していないときは、対象者に声をかけるのが余計にためらわれます。

この講習を受けるよりもだいぶ前、朝自宅から駅に行く途中で女性が横になっているところに遭遇しました。駅前に通じる裏路地のようなところで、私以外に通る人はいません。飲み屋街が近く、酔い潰れて朝まで寝ている人も、たまに見かけることはありました。しかし、私が見てきた酔い潰れた人は全員男性で、路上で夜を明かしたんだろうなという雰囲気を感じられました。

今まで路上で夜を明かした女性を見たことがありませんでしたし、一般的にいうと男性と比べて女性はそういうことをあまりしない傾向があります。また、路上で寝込む場合はだいたい仰向けか横向けの姿勢になりますが、その女性はうつぶせ状態でした。

ちょっと「単に寝てるだけ」とは思えず、近付いて声をかけてみました。他に誰も通っていなかったからできたのかもしれません。人通りが多いところで同じようにできたかどうか。とりあえず軽く肩を揺さぶりながら「大丈夫ですかー?」と声をかけてみます。反応なし。2、3回繰り返しても反応なし。

救命講習を受けた今なら、呼吸の確認をして、必要に応じて胸骨圧迫を始めるところです。しかし当時はそんなこと思いつきもしません。近くの交番に行って「どこそこに女性が倒れていて、声をかけても反応がありません」と言って、後は任せて仕事に向かいました。対応した警察官には特に名前も連絡先も聞かれることはありませんでした。

当時できる最低限のことはやったと思います。あのときの女性はどうなったのか、今でも思い出して気になることがあります。

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