組織の適正人数とは

組織にとって適正な人数はどれくらいでしょうか。特定のテーマについて話し合う委員会のような組織であれば、最大でも15人を超えない方がいいでしょう。もしそれを超えるようであれば、分科会等の下部組織を立ち上げた方がいいかもしれません。

組織の人数が少ないほど、意思決定は早くなります。一方で、組織に与えられる情報量は、大きな組織の方が多くなります。人数が増えれば増えるほど、多様な視点が得られるからです。また、大きな組織になるほど会合を開く頻度は少なくなります。構成員全員のスケジュールを合わせるのは、規模が大きくなるほど困難になるからです。

ヨーロッパの自動車産業における約40のプロジェクトチームを分析したところ、チームの人数は3人から16人の範囲で、平均は9.4人でした。また、58のソフトウェア開発チームを対象とした分析では、うまくいったチームは3人から6人の範囲内で、平均人数は4.4人でした。3人のチームは、最高ランクのチームの6割程度しか成果を出せず、9人のチームは3割程度の成果しか出せませんでした。

組織やチームには適正な人数というものがあるようです。少人数のチームのメリットは、意思決定が早くなることです。デメリットは、多様な視点を得にくくなるということです。大人数チームのメリット・デメリットは、これらの逆となります。

ところが、少人数のチームを組もうと思ったとき、思わぬ障害が発生するようです。顧客は、依頼先のチームが少人数だと不安に思う傾向があるのです。ある高名な建築デザイナーは「集中的な設計プロジェクトに取り組むときは、5人を超えると効率が上がらない」と語ります。しかし、「顧客の多くは、大勢の人間がプロジェクトに参加している方が安心する」とも言っているのです。

確かに、それは心理的には理解できます。社運を賭けるような大規模なプロジェクトで、最初の関係者顔合わせが行われるとします。そのとき、メインの協力先が総勢3名くらいで登場したらどう思うでしょうか。ちょっと不安に思わないでしょうか。10名以上でやってきたら、「相手もそれなりに力を入れてるんだな」と思って安心しないでしょうか。

私の経験上、プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、最初の顔合わせでやってくる協力会社の人数は増えます。しかし、その半分以上は、初回のキックオフミーティングで名刺交換した後、二度と会うことはありません。メールすら交わしません。

チームの規模が大きくなるほど、全員に情報を行き渡らせるのに時間がかかります。チームの人数が4~5人程度であれば、必要な情報をすぐに行き渡らせることができます。また、5名以内のチームであれば、お互いにメンバーの強みや弱みも把握できます。

大規模な企業・団体においては、5名を大きく超えるような組織が多数存在します。例えば、トヨタの取締役の人数は10名です(2025年3月時点)。10人の組織だと、全員が平等に意見を言うことは難しくなってきます。メンバーには属しているが、実質的に自由に発言できないような取締役も存在するのではないでしょうか。3人から5人程度の組織であれば、各メンバーが自由に意見を述べられるような雰囲気が作れます。

コメントを残す