2021年12月17日から3日間、LEDのランタンを糸につないで夜空に飛ばすクリスマスイベントが大阪市内で開催される予定でした。チケット代は2500円から1万7千円。しかし、強風を理由に初日と最終日のイベントが中止になりました。しかし、運営会社は中止になった分のチケット代返金に応じませんでした。
返金されないのは不当だとして、NPO法人「消費者支援機構関西」が主催者を相手取り、返金の義務があることの確認を求めた訴訟をおこないました。そして、11月7日、大阪地裁で「強風で中止したことについて主催者に責任はないが、不返金の事由とはならない」として、返金義務を認める判決が出ました。
判決文によると、中止になった両日は強風注意報が出ていて、開催した18日も会場内のテントが風で飛ばされるなどしており、中止した被告の判断は妥当としました。一方でチケットの規約では、返金しなくてよいのは「地震、噴火、大雨」といった天災が発生したときなどで、「強風」は含まれておらず返金義務があるとしました。
このようなイベントにおいて、参加者は「体験」を買っているといえます。強風というやむを得ない事情で中止になったとしても、期待していた「体験」を得られなかったのですから、参加者の立場からすれば返金してほしいというのが本音でしょう。
主催者からすれば、そこまでの準備にかけた費用があるので、チケット代を返金したらトントンではなく大きな赤字になるでしょう。しかし、規約で「強風で中止の場合は返金しない」と書いていなかったのですから、返金義務が発生するという結論は妥当な気がします。
主催者としては、こうしたリスクに備えて保険に入っていた方がよかったですね。ネットで調べたところ、関東で11月におこなわれた祭りの保険では、支払限度額1000万円、保険料は95万円と書かれていました。中止にならなければ、95万円が純粋な損失となります。それをケチると、予期せぬ中止によって痛い目を見ることになってしまいます。
返金を免れる手段として、「チケットを次回分に振り替える」ということも考えられます。ただ、1回限りのイベントでは使えません。また、すべての人が次回に参加できるとは限りません。「次回に振り替えか、返金か選べる」というシステムなら参加者にとっては喜ばしいでしょうね。
特に屋外のイベントというのは、中止のリスクとその際の対応について十分に考えないといけないようです。