パーソナルスペースと座席

人は誰しも、「これ以上は他人に近付いてほしくない」というなわばりをもっていて、それを心理学用語では「パーソナルスペース」と呼びます。電車やバスなどの公共の乗り物でも、なるべくなら他人とは広く距離を取りたいと思う人が多いでしょう。電車のロングシートで、端の席にひとりだけ座っていたら、普通の乗客は反対側の端の席に座ります。

7人掛けのロングシートで、両端の席が埋まっていたときに、次の乗客はどこに座るでしょうか。

➊②③④⑤⑥❼

他の乗客と最大限距離をとれるのは、④の席です。しかし④の席に座ると、その次の乗客は必ず誰かの隣に座ることになります。

➊②③❹⑤⑥❼

もし、①④⑦の座席が埋まっている状況であれば、私はだいたい座らないことが多いです。「誰かの隣に座りたくない」という気持ちよりは、「『せっかく間を空けて座っているのに、隣に座るなよ』と思われるんじゃないだろうか」という気持ちから、立っていようと思うのです。

一般的に新幹線の座席は、横3人掛けと横2人掛けという配置になっています。東京駅から新幹線の自由席に乗るとき、私は時間に余裕をもって駅に到着し、先頭の方で並べるまで待って乗車します。そして、だいたい3人掛けの窓側に座ります。そこに座っていると、次の乗客は2人掛けの窓側に座るでしょう。その次は3人掛けの通路側。このとき、この列で空いているのは3人掛けの真ん中と2人掛けの通路側です。どちらに座るか選べと言われたら、2人掛けの通路側を選ぶ人が多いのではないでしょうか。3人掛けの真ん中は、通路側の人を乗り越えて、2人の間に入る必要があるので、そちらの方が抵抗があるように思えます。

始発の新幹線であれば、ある程度待てば好きな席を選べます。しかし、始発であっても待っている余裕がないとき、また始発ではない駅の場合、乗った時点で3人掛けの真ん中と2人掛けの通路側しか空いていないこともあります。こんなとき、私の中で緊張感が走ります。隣同士で座ること自体はやむを得ないのですが、やはり隣の相手に嫌がられないだろうかという心配があるのです。特に、2人掛けの窓側がすべて埋まっていて、通路側はほぼ空いているとき。このタイミングで、通路側のどこかに座ったら、「通路側の席はたくさん空いているのになんで私のところに?」と思われるんじゃないだろうかと激しく心配になります。

隣に誰かが座らないように、座席に荷物を置く人もいますが、あれはよくないとおもいます。もちろん混んでいるときにすべきではないし、空いていたらいいというものでもないでしょう。そもそも座席は座るためにあるもので、荷物置きではありません。

新幹線の2人掛け席がどちらも空席のとき、あえて通路側に座る人もいます。その状況で、窓側に座るのは勇気がいります。そういう心理を狙った、他の人を隣に座らせない戦略なのだと推測できます。私がそんな状況を見たら、あえて窓側に座ってやりたいという思いが頭をよぎりますが、実行はできません。

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