ネットニュースで「猫ひっかき病」ということばを知りました。猫から人間に広がる感染症で、リンパ節が腫れたり、発熱が長期間続いたりすることもあるそうです。猫が保有する菌に人間が感染することが原因で、猫にひっかかれるだけでなく、触れるだけで感染するケースもあります。
感染時の典型的な症状は以下の通りです。まずひっかかれてから3日~1週間程度で、皮膚に直径1cm以下の隆起ができます。さらに1~2週間後には、ひっかかれた場所に近いリンパ節が腫れます。腫れた部分には痛みが出るほか、微熱・倦怠感・頭痛・食欲不振等の症状が出る場合もあります。まれに、視力の低下、肝臓等の臓器の炎症、脳症などを発症することもあります。
猫ひっかき病の原因となるのが「バルトネラ・ヘンセレ」という細菌です。この最近を運ぶのがネコノミです。ネコノミは、猫や犬などの動物に寄生して血液を吸うと、血液中のバルトネラ・ヘンセレに感染します。この細菌はノミの糞とともに排出されますが、猫がグルーミングをする際に、猫の体についていた糞の中の細菌が口の中に入っることにより、感染します。
野良猫の方が圧倒的に感染している可能性は高いですが、飼い猫も1割程度が感染しているという研究結果があります。猫ひっかき病は、誰にでも感染する可能性はありますが、最も多いのは5~14歳の子どもです。子どもの方が、野良猫に触れる機会は多いですし、加減を知らずに過剰な接触をしてひっかかれるリスクは高いからです。猫好きであっても、むやみに野良猫に触れるのはやめた方がよさそうですね。
私も小学校1年生くらいのときに、猫にひっかかれたことがあります。よく近所をうろうろしていた野良猫が「ニャーン」と鳴きながら近付いてきました。かわいいな、と思ってなでようとしたら、急に前足で襲い掛かってきたのです。そのときに爪でひっかけられて、手の甲から少し出血しました。
私の場合、幸いにもその傷は数週間でふさがり、特段変な症状は出ませんでした。猫ひっかき病は免れたようです。しかしひっかかれたときから、私は猫のことが怖くなってしまいました。猫を見ると無意識のうちに距離を取ってしまいますし、猫を飼っている友人の家にはあまり行きたくないと思うようになりました。
私の猫嫌いは、ほどなくして友人たちに知られるところとなりました。そうなると、小学生男子のやることは決まっています。私がいる近くに猫がいると、その猫を抱いて私に近付いてくるのです。私は猫が怖いので「やめろー」と言いながら逃げます。その様子を見て友人たちは面白がっています。
とはいえ、猫への恐怖感は1年くらい経ったころにはすっかり消えてしまいました。ふとした瞬間に、「猫を見ても全然怖いと思わない」ということに気付いたのです。何かきっかけがあったのかは覚えていません。何もしてないけれど、自然に克服できたと自分では解釈しています。
しかし友人たちは相変わらず猫を見かけると、私にけしかけようとしてきました。正直、まったく平気だったのですが、当時小1とか小2だった私は自分なりに気を遣っていました。「せっかくあいつらが仕掛けてきてるのに、『何か?』みたいな反応したら白けるよな…」と。
私は猫が近付いてきたら、怖くもなんともないのですが「やめろーーーー!!」と絶叫しながら逃げ回っていました。あいつらは前と同じくケラケラ笑っています。あいつらが飽きて猫を引っ込めたら、私もやれやれという感じで逃げ回る演技をやめます。
当時私は、しっかり怖がる演技ができていたと思っていましたが、あいつらはどう思っていたのでしょうか。私が本気で猫を怖がっていると信じていたのか、演技だとわかって乗ってくれていたのか。今となっては知る由もありません。もう名前も顔も思い出せないですから。