北欧から生まれた音楽配信サービスの覇者

アップル・ミュージックを引き離して世界最大の音楽配信サービスとなったスポティファイは、スウェーデン生まれの企業です。スポティファイは、2025年2月時点で月間アクティブユーザー数6億7500万人、有料会員数2億6300万人を抱えています。

スポティファイは2006年に創業されました。2007年、スウェーデンを本拠地とするベンチャーキャピタル、クランダムのフレドリック・カッセルは、スポティファイの創業者、ダニエル・エクと面談をおこないました。

当時は、音楽の違法ダウンロードが横行していました。多くの人々が、違法ソフトを使って音楽ファイルを自分のパソコンにダウンロードし、曲名を手入力してコレクションしていたのです。ダニエルは「もう違法ダウンロードは不要だ。スポティファイには世界中の音楽コンテンツがそろっていて、クリックした瞬間に曲が流れるようになる」と言いました。

フレドリックは、そんなことできるわけがないと思いました。ダニエルは「何か好きな曲を言ってくれ」とフレドリックに伝えました。フレドリックは「ザ・ベア・カルテットの曲を流してくれ」と返します。ザ・ベア・カルテットはマイナーなアーティストで、CDは数千枚程度しか売れていませんでした。しかし次の瞬間、開発中のスポティファイの画面にはザ・ベア・カルテットの曲がずらりと並んでいました。フレドリックは「この会社は投資する価値がある」と考えました。

当時、スポティファイへの投資には多くの人が反対していました。音楽ビジネスにおいては、レコード会社等の権利保有者との契約が大きな壁となります。権利保有者はひとつやふたつではありません。保有者の数だけ交渉や契約をしなければなりません。

スウェーデンには、4つの大手音楽レーベルがありました。スポティファイは、まずそのうちの1つと契約を取り付けてきました。さらに2社とは厳しい交渉を続けていました。最終的にはその2社からもイエスを引き出し、残った1社とも契約までこぎつけたのです。

2011年、スポティファイはアメリカでサービスを開始します。このとき、当時8億人のユーザーを抱えていたフェイスブックと独占的に契約できたことで、スポティファイは音楽配信サービス会のトップへと駆け上がることになります。

スポティファイは、ヨーロッパーの片隅にある、人口1千万人という小さな国からでも、世界的な企業が生まれるということを証明したのです。

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