小さな子どもとデジタルデバイス

最近は電車や商業施設など、公共の場所で小さな子どもがスマホやタブレットなどのデジタルデバイスを観ている光景も珍しくなくなりました。子どもをもつ親から話を聞いてみると、「あまりよくないとは思っているんだけど、観てる間はおとなしくしてくれるから」ということでした。

ある研究によると、2~4歳の子どものスクリーンタイムは1日平均2時間半になるそうです。これが5~8歳くらいになると平均は約3時間まで増えます。幼児の頃は、スクリーンタイムのほとんどはテレビあるいはYouTubeなどの動画サイトの視聴です。もう少し年齢が上がってくると、ゲームの時間も増えてきます。

子どもたちがどこでも手軽に動画を見られるようになったのは、ごく最近のことです。私が子どもの頃は、動画を観る手段はテレビくらいしかありませんでした。それも家族で1台。今観ている番組が退屈だと思ったら、チャンネルを変えるか、視聴をやめて別のことをする必要がありました。

今の子どもたちは、いつでもタブレットを立ち上げて動画を観ることが可能です。観ているものに飽きたら、すぐに別の動画に移ることもできます。数に限りがあるテレビのチャンネルと違って、その選択肢はいくらでも存在します。

このような環境は、自制心の発達に悪い影響を与える恐れがあります。2020年以降、学校ではオンライン授業が普及しました。オンライン授業で、授業の内容に集中することは、教室での授業よりもハードルが高くなります。教師の説明を聞いているフリをしつつ、手元のスマホでアニメを観ていても、それが発覚するリスクは低いでしょう。

デジタルデバイスが普及した現代の環境では、子どもたちは早い時期からマルチタスクに慣れ親しみます。マルチタスクというのは、複数の作業を頻繁に切り替えながら進めていくことです。

マルチタスクは、効率がいいように見えて実は非効率的な手法です。マルチタスクを行うよりも、むやみに作業を切り替えずひとつの作業に集中して進めた方が、すべてのタスクを完了する時間は短くなります。

マルチタスクをする医師は、薬の処方ミスが増え、マルチタスクをするパイロットは操縦ミスのリスクが高まるという調査結果もあります。

あまりに早い時期からデジタルデバイスに触れさせると、マルチタスクに慣れてひとつの物事に集中できなくなる恐れがあります。しかし、子どもをデジタルデバイスから完全に切り離すのも現実的ではないでしょう。ではどうすればいいのか?その答えはこれから見つけていくしかありません。

コメントを残す