今回は、ちょっと視点を変えるだけで簡単に答えが出る数学パズルを紹介します。
完全予約制の映画館で、ある映画の上映時に100ある席がすべて予約で埋まっていた。最初の客が自分の予約席がわからなくなり、100ある席から1つを適当に選んで座ってしまった。2番目以降の客は、自分の予約席が空いていればそこに座り、もし誰かがすでに座っていたらその時点で空いている席から適当に1つを選んで座った。100人目の客が自分の席に座れる確率はどれくらいだろうか。
この問題は、場合分けすることで解くことができます。仮に最初の客が自分の予約席に座ったら(その確率は1/100)、2番目以降の客は全員自分の席に座るので、100人目の客も自分の席に座れます。最初の客が2番目の客の予約席に座った場合、2番目の客は残った99の席から適当にひとる選んで座るので・・・
これを最後まで続ければ答えが得られますが、ちょっと考えただけでも膨大な計算量になることがわかります。最後から考えればもっと楽に答えが得られます。最後の客に残された席について考えてみましょう。
最後の客に残された席が、50番目の客の予約席だったと仮定します。このとき、50番目の客は自分の予約席以外の席に座っていることになります。ところが問題の条件によると、「2番目以降の客は自分の予約席があいていればそこに座る」ということになっています。
したがって、最後の客に残された席が50番目の客の予約席ということはあり得ません。もしそうだとすると、50番目の客は自分の予約席が空いているのに、それ以外の席に座ったということになり、問題の条件と矛盾するためです。
2番目から99番目の客の予約席すべてに関して、上で説明したことが当てはまります。つまり、最後の客に残された席は、1番目の客の予約席か、自分の予約席のどちらかに限られます。どちらが残っているかは確率的に優劣はないので、求める確率は50%となります。
説明がダイナミックすぎて納得できないという人のために、より詳しい説明をしましょう。最後の客が自分の予約席に座れるかどうか決まることを、「決着がつく」と呼ぶことにします。
最初の客のターンで決着がつくのは、最初の客が自分の予約席または最後の客の予約席に座った場合です。最初の客が自分の予約席に座ったら、2番目から最後の客は全員自分の予約席に座れます。最初の客が最後の客の予約席に座ったら、最後の客は自分の予約席には座れません。
最初の客が2番目から99番目までの客の予約席に座ったら、決着は2番目以降に持ち越されます。仮に最初の客が10番目の客の予約席に座ったとします。この場合、2番目から9番目までの客は自分の予約席に座れます。10番目の客は、自分の予約席に最初の客が座っているので、残された91の席から適当にひとつ選んで座ります。
このとき、10番目の客が最初の客の予約席に座ったら、11番目以降の客は全員が自分の予約席に座れるので決着がつきます。最後の客の予約席に座ったら、最後の客は自分の予約席に座れなくなるので決着がつきます。それ以外の席に座ったら、決着は11番目以降に持ち越しです。
このように考えると、1番目から99番目の客のうち誰かが「最初の客の予約席」または「最後の客の予約席」に座った瞬間に決着がつきます。それ以外の席に座ったら、決着は次回以降に持ち越しになります。
何番目の客のときに決着がつくとしても、その客が「最初の客の予約席」と「最後の客の予約席」のどちらに座るか、その確率は等しい。したがって、最後の客が自分の予約席に座れる確率は50%です。