700万の予算が1億まで膨らんだ

「〇〇に関して資料をまとめてほしいのですが、いつまでにできそうですか」
このような依頼を受けた場合、ぱっと頭に思い浮かんだスケジュールを伝えない方がいいでしょう。現実には、思い浮かんだスケジュールよりも大幅に時間がかかるからです。

一般的に、直感的に見積もったスケジュールで作業を始めたら、期限に間に合わないことが多いし、直感で見積もった予算では足りないことが多いものです。ほとんどのプロジェクトにおいて、早い納期、少ない予算で完成することが歓迎されます。「これくらい早く終わればいいな」「これくらいの予算でできればいいな」という願望が、いつのまにか「これでできるはず」という確信に変わることはよくあります。

オーストラリアのシドニーオペラハウスは、当初700万ドルで完成する予定でした。しかし、最終的な費用は1億200万ドルもかかりました。しかも当初の予定よりも規模は縮小したうえに、完成が10年も遅れてしまったのです。

こういった失敗をしないための対策として「タスクを細かく書き出す」ということが挙げられます。資料作成を例に説明しましょう。

【資料作成タスク書き出し例】
・下調べをする(1日)
・草稿を書く(1日)
・修正して仕上げる(1日)

上記例のようにタスクを分解して「だいたい3日でできるだろう」と見積もったものの、実際に始めてみると思いのほか時間がかかったということがよくあります。これはタスクが十分に分解できていないことが原因です。

資料作成に必要な情報のすべてに対して、いつでもアクセスできるとは限りません。「この情報については、〇〇さんに聞かないとわからない」といったこともあるでしょう。メールや電話では十分な聞き取りができない場合は、直接会う、またはウェブミーティングを設定する必要が出てくるかもしれません。「〇〇さんと打ち合わせの時間が取れないので資料が完成しない」といったリスクにも備える必要があります。そういったリスクも考慮して、より細かく分解してタスクを書き出してみると、ぱっと思いついたスケジュールでは到底間に合わないということがあり得ます。

実際の状況を想像しながら、書いてみるということが非常に重要です。頭の中でシミュレーションするだけでは不十分です。書くことによって思考が整理されて、頭の中で考えるだけでは気付けなかったリスクにも気付けるようになります。

相手が「3日でできます」という答えを期待しているのに、それよりも長い見積もりを出すのは勇気が必要です。しかし、相手の期待に応えるためによく考えずに回答して、その結果期限に送れてしまえば信頼を失います。相手の期待よりも遅めの答えであっても、その期限を守るということを続ける方が「仕事ができる人」という評価を得られるでしょう。

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