1990年に打ち上げられたスペースシャトル、ディスカバリー号にはハップル宇宙望遠鏡が搭載されていました。打ち上げ後、ハップル宇宙望遠鏡は地上約600kmで地球を周回する軌道に乗りました。
地球には大気があるため、地球から天体を撮影すると大気の影響で鮮明な画像を取ることができません。ハップル宇宙望遠鏡には、大気の影響を受けない宇宙空間から鮮明な天体画像を撮影する役割が与えられていました。
ハップル宇宙望遠鏡が撮影した画像を期待して待っていた人々は、実際に送られてきた画像を見て失望します。画像はひどいピンボケ状態だったのです。この計画には20億ドルもの予算がかけられていたにもかかわらず、なぜこのような結果になったのでしょうか。
原因はレンズの設計ミスでした。NASAの委託を受けて、望遠鏡のレンズは光学レンズメーカーのバーキンエルマーが作っていました。バーキンエルマーは1979年にレンズを作り始めて、1981年には完成させていました。しかし打ち上げ日程は何度も変更されてしまいました。1986年にはチャレンジャー号爆発事故の影響が起こり、ハップル宇宙望遠鏡の打ち上げ計画も大幅な変更を余儀なくされました。
本来、スケジュールが変更されたらその都度設置テストを行う必要がありました。しかしバーキンエルマーはテストをしない状態で、望遠鏡を宇宙に打ち上げてしまったのです。
NASAとしてはこのままで終わるわけにはいきません。1993年には別のスペースシャトルが打ち上げられました。打ち上げ後、宇宙飛行士が修理をおこなって、ピントが合うようになりました。
その後、ハップル宇宙望遠鏡は鮮明な画像を撮り続けて、宇宙の研究に貢献しています。