サービス残業にまつわる話

会社員など、組織に雇われている従業員が定時を超えて働いた場合、時間外労働分の割増賃金を支払う必要があります。時間外労働として支払うべき金額が1円でも不足していれば、それは違法ということになります。正当な賃金が支払われない時間外労働は俗に「サービス残業」と呼ばれています。

サービス残業の正確な実態を知ることは困難です。企業が平均残業時間を公表することはあっても、平均サービス残業時間を公表することはありません。サービス残業があるということは、企業が違法行為をしているということですから、企業自らが公表するはずがないのです。

サービス残業は違法ということは、かなり浸透してきたと思います。しかし2024年の現代において、サービス残業が根絶されたということはなく、まだ一部では残っているというのが現状ではないでしょうか。

未払賃金の消滅時効は2年ですから、サービス残業代は過去2年分まで遡って請求できます。弁護士等の手を借りて、サービス残業代を取り返すという手段もあります。メリットとしては、その道のプロなので残業代を取り戻す可能性が高くなることや、複雑な書類等の手続きを代行してもらえることなどが挙げられます。一方デメリットとして、残業代を取り戻しても一部を手数料として納める必要が出てきます。

今の時代、残業代を取り戻すにも個人で戦いやすくなりました。ネットを探せば無料で関連知識を身に付けられます。ただし間違った情報を見抜くリテラシーは必要になります。

私の場合、いろいろな会社で働きましたが残業代が出ないところが多かったです。ある会社では、繁忙期になると9時から23時くらいまで働いて、月の休みは2日程度ということがありましtた。しかし、定時になると社員カードを出退勤記録用の機械にタッチすることが義務付けられていました。定時で仕事が終わっていなくても定時でタッチです。数分程度の遅れであれば許容されるのですが、5分以上の遅れがあると部署内に名前を晒されます。何日も続くと、責任者面談が待っています。面談後「今後はこういうふうにして定時にタッチします」という書類を提出します。

別の会社でも、同様に長時間労働で月の休みがほとんどなしという時期がありましたが、残業代は一切支払われていませんでした。しかしその会社では、ある時期を境に残業代が支払われるようになりました。

その会社は、株式上場を目指していたのです。上場の準備が本格化したとき、証券会社・監査法人・コンサルタントなど様々な外部の人たちが出入りするようになりました。そして彼らは異口同音に「今の時代、上場するにはコンプライアンスが重要になります」と言ってきたのです。サービス残業などが発覚すると、上場の申請が認められなくなるリスクがあるということでした。

それを聞いた会社の上層部は、慌てて残業代を全額支払うことを決めました。さらに、過去2年分の記録を遡って過去の未払残業代も支払われました。私はそのときに一度に50万円くらいの支払いを受けたと記憶しています。元々受け取るべきだった賃金が支払われただけなのですが、臨時ボーナスみたいで嬉しかったことを覚えています。

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