プロジェクトの6段階

心理学者のベン・ダトナーは、職場で起こるドラマの展開を的確に描写した記述として以下の文章を紹介しています。

プロジェクトの6段階
1.期待
2.幻滅
3.パニック
4.犯人探し
5.無実の人を処罰
6.無関係な人を報奨

確かに、私の職場でもこういうプロセスを何度も見てきました。新しいプロジェクトは、多くの人々から期待の目で見られます。上層部肝煎りのプロジェクトであればなおさらです。ほとんどのプロジェクトは、決起集会のときがピークです。

その後、プロジェクトが進むにつれて「このプロジェクト・・・ちょっとまずいんじゃないか?」と考える人が増えてきます。しかしそれを公の場で口にする人はいません。親しい同僚同士では「もうこのプロジェクトはだめだね」と語り合いますが、定例のプロジェクト会議では「〇〇と××は目論見通り進んでいませんが、これこれの対策で遅れを取り戻します」などと言ってお茶を濁します。

上層部にごまかしが効かなくなってきたら、いよいよプロジェクトの責任者が「ちょっとまずい状態ですね」と公の場で発言します。上層部は「どうするんだ!」と慌てふためきます。多くのメンバーは「こうなると思ったんだよ・・・」と心の中でつぶやきます。

決起集会のときに思い描いた状態からはかけ離れた現状。上層部はそれを取り戻そうと躍起になります。ただ、この段階ではだいたい手遅れになっています。

プロジェクトはもうどうにもならないことを悟った上層部は、犯人探しを始めます。一体だれがこのプロジェクトを滅茶苦茶にしたのか。ある程度の規模のプロジェクトにおいて、失敗の原因がひとりだけということはまずありません。しかし、上層部は誰かひとりを戦犯に仕立て上げることによって、けじめをつけたいと考えがちです。

戦犯を決める際は、具体的な事実関係よりも、組織内の政治力学やそのときの雰囲気で決まる傾向があります。上層部が「こいつを戦犯ということにしよう」と方針を決めたら、まず覆りません。

こういったことを繰り返していたら、組織の成長はありません。プロジェクトに失敗はつきものです。大事なのは、失敗したときに客観的な事実をもってその原因をつきとめることです。感情に基づいて、戦犯と決めつけた人を非難しても意味がありません。失敗してもそこから学び成長すれば、次の機会で成功する可能性が高まるでしょう。

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