孤独はリスク?

人間にとって孤独は大きなストレスとなるようです。孤独感を覚えると、人は他者に対して攻撃的になり、衝動的で自己中心的な行動を取りやすくなるという報告もあります。また、人は孤独になると免疫機能や認知機能も衰えて、健康を害するリスクも高まると言われています。

孤独、孤立に対する反応を調べるために、サイバーボールという実験がおこなわれました。この実験は3人1組でおこなわれます。3人はパソコンを使ってキャラクターを操作し、キャッチボールをします。実は3人のうち2人は実験者側のサクラで、本当の被験者は1人だけです。

サクラの2人は、被験者にボールを回さずに2人だけでキャッチボールを続けます。被験者は何の前触れもなく、仲間外れにされるのです。このとき、被験者の脳を調べたところ、肉体的な痛みを感じたときと同様の反応を示すことがわかりました。「孤独の痛み」というのは比喩表現ではなかったようです。

サイバーボール実験において、3人はまったくの初対面で面識はありませんでした。被験者はその場限りの人たちとその場限りのコンピューターゲームをしただけです。自分にボールが回ってこなかったとしても、一切実害はないはずです。それでも「仲間外れにされた」という思いによってダメージを受けているのです。

「痛み」というのは、自分に危機が迫っていることを知らせる警報です。誰かがあなたの腕をつねると、痛みを感じます。強くつねると、痛みも強くなります。これはつねられている部分に危機が迫っているという警報です。痛みを感じることによって、それを避けるために開いてにつねるのをやめるように言うとか、突き飛ばして強制的に止めさせるといった手段を取るでしょう。

人が仲間外れにされたり、社会から疎外されたりしたときに感じる心の痛みは、「このままだとやばいぞ」という自分の内部から生じるメッセージなのです。

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