余裕をもたせてイレギュラーに対応する

道路は交通量の容量が7割以下のときにスムーズに機能します。交通量が8割~9割程度でも、すべての車が同じスピードで走り続ければ、渋滞は発生しません。

8割~9割程度の交通量の道路で、1人のドライバーがスピードを上げたとしましょう。他の車はそれよりも遅いスピードで走っているので、スピードを上げたドライバーはどこかでブレーキを踏むことになります。すると、その後ろの車もブレーキをかける必要が出てきます。そうなると、後続車にもブレーキの連鎖が起きて、車の流れが遅くなります。そして渋滞が発生します。

つまり、8割~9割の交通量では、イレギュラーの事態が発生したときにそれを解消するだけの余裕がないのです。これが7割程度であれば、多少のイレギュラーが発生しても渋滞が発生しない余裕があります。

プロジェクトのスケジュールに関しても、トラブルがあっても遅れないようにするためには意図的に余裕をもたせることが必要です。

余裕がなくギチギチに詰め込まれたスケジュールは、だいたい設定した終了日を大幅に過ぎてしまいます。一定の規模以上のプロジェクトであれば、何らかのイレギュラーの事態が必ず発生します。そのイレギュラーで生じた遅れを取り戻すためにリソースを割くことによって、次の工程にもズレが生じます。

このようにしてズレの連鎖が起こると、プロジェクトの遅れが大きくなりがちです。本来はAという工程が終わって、Bという工程に入っているはずなのに、Aが終わっていないという状況を考えてみてください。このとき、Bの工程に従事しているはずのスタッフの一部を、Aの工程に回す必要が出てきます。そしてAの工程を終わらせたら、Aに従事していたスタッフはBに合流することになります。そうした調整にもリソースを割かれますから、遅れは大きくなりがちです。

こうしたイレギュラーによる遅れを吸収できるように、各工程には予想される所要期間に一定の保険期間を加えるのがよいでしょう。

個人のスケジュールにおいても、一定の余裕をもたせることが重要です。会議や面会等、動かせない予定でびっしりのスケジュールだと、どこかで遅れが生じたときに後続の予定にも遅れが連鎖する恐れがあります。また、会議前の予習や会議後に内容を消化する時間がないと、ただ予定をこなしているだけで何も付加価値を生めなくなるでしょう。

会社である部署のスタッフを見ていると、ある程度余裕があるように見えたとします。ここでマネージャーは「あそこの部署は余裕がありそうだから、業務を増やしてみようか」とか「5人でやってるけど4人でも回せそうだな」などと考えるかもしれません。しかしそれを実行すると、まずい結果を招くかもしれません。

ある瞬間は余裕がありそうでも、それは突発的な事案が発生したときのために必要な余裕である可能性があります。仕事を増やしたり、人員を減らすことによって余裕をなくしてしまうと、イレギュラー発生時に対応できなくなり、回らなくなってしまうかもしれません。

このように、何ごとにおいても余裕をもたせることが大事です。その余裕がイレギュラーへの対応力を生み出すのです。

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