広告ができないNHK

放送法によって、NHKは広告放送を禁止されています。そのため、特定の企業名、商品名、キャラクターは極力出さないようにしています。

有名な例として、ゴールデンウイークがあります。1950年代、当時の映画業界が5月の連休期間に映画を観てもらうためにこの期間を「ゴールデンウィーク」と呼び、それが定着したというのが定説です(所説あります)。

「ゴールデンウィーク」というワードを使うと、映画業界の広告になる恐れがあるということで、NHKでは「大型連休」と言い換えています。理屈はわかるのですが、現代において「ゴールデンウィーク」が映画の広告になるのか、大いに疑問です。

プロ野球のチーム名に関しては、「ヤクルト」「阪神」「中日」「西武」「オリックス」「ソフトバンク」「日本ハム」「楽天」「ロッテ」とバリバリ企業名や商品名が入っています。しかしこれは言い換えようがないので、そのまま使われています。

歌に関しても、歌詞に企業名や商品名が入っているものは言い換えが用いられる場合があります。山口百恵の「プレイバックPART2」には「緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ」という歌詞があります。「ポルシェ」というのが商品名であるため、NHKでは「真っ赤な車」と歌詞を変えて歌われました。

「真っ赤なポルシェ」だと鮮烈にイメージできるのですが、「真っ赤な車」と言い換えるとなんだか締まりがないですよね。気の抜けたサイダーのようです。NHKで「真っ赤なポルシェ」と歌うことが、ポルシェの広告にはならないと思うのですが・・・

そうかと思えば、7月23日の「うたコン」では小林旭が「自動車ショー歌」を歌いました。この歌には「あの子をペットにしたくって ニッサンするのはパッカード」など、自動車メーカーや車の名称がこれでもかと出てきます。山口百恵はたった1車種、ポルシェすら許されなかったのにこの差は一体なんなんでしょうか。

「自動車ショー歌」はたくさんの車種が出るから特定の車の広告にはならないが、「プレイバックPART2」はポルシェという1車種だけが出てくるので広告になるという判断なのかもしれません。

松本伊代のデビュー作「センチメンタルジャーニー」には「伊代はまだ16だから」という歌詞があります。歌詞に本人の名前が登場する珍しい歌です。NHKで歌うときは「私まだ16だから」と言い換えられたそうです。本人の名前が登場するのが、「本人の広告にあたる」と判断されたようです。

この判断、理解できますか?「松本伊代さんで『センチメンタルジャーニー』です」と紹介しておいて、歌詞に「伊代はまだ16だから」と出てくるのは広告にあたるからダメというのは個人的に理解できません。それを「私まだ16だから」といえば回避できるという理論も謎です。

NHKでは広告放送はできないという法律は理解できるのですが、その運用については見直した方がいいのかもしれません。

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