歴史的文書に残されたうっかりミス

日本では8月15日が終戦記念日になっています。一方、アメリカでは9月2日が戦勝記念日とされています。1945年9月2日に、東京湾の戦艦ミズーリ号上で日本が降伏文書に調印したことがその由来です。

東京港区の麻布台ヒルズ、森JPタワー5階にある外務省外交史料館展示室に、降伏文書の複製が展示されています。こちらがその写真です。

見開きの左側に降伏文書の内容が、右側に各国代表等の署名があります。右側の署名欄をよく見てください。

署名欄の一番上には重光葵外務大臣が署名しています。その下は梅津美治郎参謀総長です。

連合国側からは、まず連合国の代表として連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーが署名しています。以下、アメリカ代表、中華民国代表、イギリス代表、ソ連代表、オーストラリア代表が署名しています。

赤枠で囲っているのはカナダ代表の署名欄ですが、空欄になっています。これはカナダ代表のローレンス・ムーア・コスグレーヴ 陸軍大佐が、間違えてひとつ下のフランス代表の欄に書いてしまったためです。署名欄の線の真下に、対応する国名が書かれていたのですが、コスグレーヴ大佐は「国名の下の欄に署名する」と勘違いしてしまったのでしょう。

結局、自国の欄に署名されたフランス代表はその下のオランダ代表の欄に、オランダ代表はその下のニュージーランド代表の欄に、ニュージーランド代表は下の余白に署名することになりました。さらに、署名と国名が正しく対応するように、印刷された国名を横線で消して手書きで国名を書き直しています。

気付いたとき、その場はどんな雰囲気だったのでしょうか。『おい・・・これどうすんだよ・・・』という重苦しい雰囲気だったのでしょうか。意外と「ちょっと大佐!間違えてますって(笑)」という和やかな雰囲気だったのかもしれません。

いずれにせよ、今更文書を印刷し直すこともできないということで、写真にあるように手書きでの訂正という判断になりました。

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