人間は何も食べなくても数週間は生き延びられます。しかし、水を一滴も飲まなければ数日で命を落としてしまいます。人間はどれくらい水を取らなくても生き延びられるのかについて『人間はどこまで耐えられるのか』という本に書かれていたので紹介します。
体内の水分の3%程度が失われても体に支障はありませんが、5%~8%程度が失われると疲労感やめまいを覚えます。10%以上が失われると、肉体的にも精神的にもダメージを負います。15%以上が失われると命の危険が出てきます。
ラクダは水分の欠乏に強く、体重の25%の水分が失われても生きることができるそうです。ラクダが水分の欠乏に強い理由は、血液の量を維持できるからです。人間が25%も水分を失うと、血液の量が3割程度減ってしまい、血液の粘性が高まります。ドロドロになった血液は冷やされにくくなり、体温が危険なほど上昇してしまいます。
1905年、メキシコ人のパブロ・バレンシアはアメリカアリゾナ州南西部で道に迷ってしまいました。日中は35℃、夜でも30℃以上の気候の中、バレンシアは水分を一切取ることなく約1週間過ごしました。発見されたときには、肌は日焼けして真っ黒でした。全身の筋肉は縮んでしわだらけになっていました。暑さによるダメージで、視力と聴力が大幅に失われていました。
救助隊はバレンシアに水をかけましたが、衰弱しきっていた彼はすぐに飲むことができませんでした。1時間経過してようやく水を飲めるようになりました。その翌日には話ができるようになり、3日目には視力と聴力が回復し、1週間後には遭難前くらいまで回復しました。驚異の回復力です。
常人であれば、バレンシアほど生き延びることはできず、数日で命を落としていたかもしれません。これから暑くなる季節、脱水には気を付けていきましょう。