youTubeの「カンテレNEWS」チャンネルで「保護者の切実な声を受けて朝7時に校門を開放 8時まで体育館で預かる」というニュースを見ました。
インタビューに答えた保護者によると、保育園は6時半くらいに開くし19時まで預けられたが、子どもが小学校に上がると8時にならないと登校できなくなったといいます。仕事が朝一で入った日は、いったん友達のところに行ってもらって8時の開校に合わせて出たり、前日の夜から友達の家に預けたりしていたそうです。
これがいわゆる「小1の壁」という問題です。保育園であれば朝7時から夜7時くらいまで受け入れ体制が整っていたものが、小学校に上がると開校が午前8時からになります。また、学童保育を利用しても午後6時くらいまでしか預かってもらえません。そのため、保護者の仕事の状況によっては、誰も子どもを見られなくなってしまうという問題が発生します。
こうした状況を踏まえて豊中市の小学校では今年の4月から、午前7時に校門を開放する体制を整えました。豊中市が公開している資料によると、対象は小学校1年をはじめ、就労等の諸事情により7時開放事業の利用を希望する家庭です。
この制度を利用する保護者は、見守り場所(学校の体育館など)まで児童と一緒に登校します。見守り場所には2名の見守り員がいて児童を見守ります。見守り員は児童に対して声かけや簡単なケガなどの応急処置は行いますが、それ以外は見守るだけです。登校時間になるまで、児童は読書やタブレットなどを使って過ごすことになります。
この早朝見守り制度において、見守り員は民間委託のスタッフです。早朝見守りに関して教員は一切関わりません。動画の中で、豊中市教育委員会の学校施設管理課長は「これまでは少し早めに来て門の前で待っている児童が多数いた。教員の勤務時間は見直しはせずに、教育委員会委事務局の責任において全小学校で一度やってみようかと」と語ります。
教員の負担を増やすことなく、一部保護者が抱える問題を解決できるという点において、素晴らしい取り組みだと思いました。「教育委員会委事務局の責任において」と責任の所在を明確にしている点もいいですね。
私が気になったのは、動画の4分30秒あたりの保護者インタビューです。「何か心配事はありますか」という問いに対して「見守り員について、子どもに対してどのくらいのレベルでできるのかという心配は正直あります」と小学1年生の保護者は答えています。見守り員になるための資格は特に不要で、何かあった場合は教育委員会が責任を負うとのことです。
このインタビューについては「見守り員が不安なら預けなければいい」「見守り員に不安があると言いながら預けるのは厚かましい」「見てもらってるだけでもありがたいと思わないと」といった否定的なコメントが見られました。
とはいえ、この保護者は「心配事は?」と聞かれたから答えただけなんですよね。番組側がこういう答えを期待して質問したように思えます。「豊中市の取り組みは素晴らしいですね。めでたしめでたし」だけではニュースとして面白くないのでしょう。あえて反感を持たれるような意見を引き出そうとしています。インタビューに答えるのは番組が用意したサクラではないし、番組側が「こう答えてください」と指示するわけでもないのですが、番組側が求める答えが出てくるまでインタビューを続けるというのはよくあることです。
そもそも、通常の登校時間では児童が宙ぶらりんになってしまう状態を解決するほうが望ましいのではないでしょうか。私が以前在籍していた会社では、こうした子どもの送り迎えの都合に合わせて出退勤の時間についてはある程度融通がきいたものです。
もちろん、そういった柔軟な対応ができない職種もあるでしょう。とはいえ、私たちはコロナが猛威をふるっていた頃、自分や周りの人間が急に数週間離脱せざるを得ない経験をしてきました。しかしそれが原因で会社が潰れたとか、組織が崩壊したという話は聞いたことがありません。それを考えると「社員の都合に合わせた勤務体制は、うちのにはそぐわない」と考えられている組織も、実はやろうと思えばなんとかなることが多いのではないでしょうか。
今回話題にした動画:https://youtu.be/09SkGpMcvco?si=4UL9cv2OckXMS3ST
午前7時からの校門開放に関して豊中市が説明しているウェブページ
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/kosodate/kosodate_no1/sho1_kabe/am7_koumonkaihou.html