制約は創造性の促進剤

組織の中で働いていると、様々な制約によってやりたいことを実現できないという場面に出くわします。

・予算がない
・時間がない
・割ける人材がいない
・前例がない
・影響力のある幹部がそのアイデアに反対している

いいアイデアを思いついても、上記のような壁に阻まれて断念せざるを得なかった経験がある人は多いのではないでしょうか。

こう書くと制約は創造性の阻害要因のように見えますが、そうとも限りません。制約があることによって、創造性が高まることもあるのです。

あなたがある企業で働いていて、社長から「新しい事業を考えてほしい。事業の内容はなんでもいい。予算や期間について特に制限はない」と言われたとします。あなたは途方に暮れてしまうのではないでしょうか。

自由度が高すぎると、どこから手を付けていいか見当がつきにくいし、考えをまとめるのも困難です。「こういったジャンルの事業で、予算はこれくらいで、いつまでにスタートさせたい」など、最初にある程度の条件が提示された方が進めやすいでしょう。

「小説家になりたい」と思ったことがある人はごまんといるでしょう。そういった人たちの中で、短編でもなんでも1本の小説を書き上げたことがある人はごくわずかです。

小説家志望者とプロの小説家との違いは、制約があるかないかです。前者には作品に関して制約がありません。ジャンルの制約はない。締切もない。原稿用紙1枚の超短編でもいいし、原稿用紙何百枚もある長編小説でも構いません。

一方で、プロの小説家には様々な制約があります。出版社から執筆を依頼された場合は、文字数がある程度決められていて、締切までに提出する必要があります。内容にも制約があるでしょう。

何の制約もない小説家志望者は、時折小説になりそうなアイデアの種は思い浮かぶものの、1文字も書くことなく時間ばかりが過ぎていきます。プロの小説家は決められた制約の中で試行錯誤して、作品を書き上げます。

仕事における制約は創造性の足かせではありません。人は与えられた制約の中でやりくりするために考え抜き、アイデアを磨きます。制約は創造性の促進剤なのです。

組織やクライアントから与えられる仕事であれば、ほぼ必然的に一定の制約があるでしょう。一方で、自分の中でひそかにやりたいと思っているようなことには、何の制約もないことが多いと思います。そのような場合は、締切・予算・内容の方向性などについて自主的に制約を定めてみましょう。その制約があなたのモチベーションとなり、創造性を発揮させてくれます。

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