先延ばしの癖をやめるには

締切が迫っているのになかなかやる気が起きないということがよくあります。1か月後が締切の仕事を打診されたとします。そのときは、仕事内容、今後のスケジュール、自分の能力などから「余裕をもって終わるであろう」と判断して、二つ返事で受けるのです。

2週間経過、その仕事に関しては特に何も進めていません。3週間経過、そろそろ着手しないとと思います。ちょっとだけ進めて「あと1週間か。思ったよりギリギリになりそうだけど、頑張れば何とかなるか」と思います。3日前、そろそろ本腰を入れて仕事を進めようとしますが、思ったように進みません。引き受けた当時にはなかった諸々の仕事や会議等で、時間が取れないのです。そして前日、泣きながら夜遅くまでその仕事をやるハメになります。

似たような経験がある人は多いと思います。こういった先延ばしをやめて、すぐ仕事に取り掛かれるようにするには、どうしたらよいのでしょうか。

締切が月や年など、何らかの節目をまたいでいると、人は実際よりもだいぶ先のことに感じやすい傾向があります。

(1) 9月1日に9月14日締切の仕事が依頼される
(2) 9月20日に10月3日締切の仕事が依頼される
(3) 10月1日に11月30日締切の仕事が依頼される
(4) 12月1日に翌年1月30日締切の仕事が依頼される

(1)と(2)は、いずれも依頼日、締切日含めて14日間の猶予がある仕事です。しかし、(2)の方が月をまたいでいる分、締切りまで余裕があると感じやすいというわけです。(3)と(4)は、いずれも2か月分の期間が設けられています。こちらは(4)の方が年をまたいでいる分、かなり先のことのように感じられます。

このことはインドで行われた実験でも確かめられています。被験者には、6か月間で子どもの教育費を貯めることを推奨し、貯蓄が目標額に達したらボーナスをもらえると伝えました。結果は以下の通りです。

(5) 6月1日から12月1日の期間で目標額を達成できた被験者:28%
(6) 7月1日から1月1日の期間で目標額を達成できた被験者 :4%

(6)の被験者は、締切が年をまたぐことによって、先のことのように感じた結果、貯蓄への取り組みが甘くなってしまったと考えられます。

これらの結果から、なるべく月や年といった節目をまたがないように締切を設定すると、先延ばしが起こりにくくなるといえそうです。

こちらで締切日を設定できない場合もあると思います。12月1日に翌年1月30日締切の仕事が依頼された場合はどうすればよいでしょうか。1月30日の締切は最終締切として固定しておいて、節目をまたがないように中間締切を設定してみるとよいでしょう。

例えば12月30日までに「ここまでは終わらせる」といった中間締切を設定してみましょう。それを依頼者や、関係者など誰かに発表するといった予定を入れておくと、より強力なモチベーションになります。さらに、週末ごとにより細分化したマイルストーンを設定すれば万全です。

中間締切に限らず、何か目標を設定するときはできるだけ具体的にするとよいでしょう。今日やることをリストアップするときに「Aの件の資料を作る」だけでは具体性に欠けます。「Aの件の資料を完成度XX%まで仕上げる」「Aの件の資料に必要な統計資料をすべて集める」というように、具体的に書いた方が、作業を進めやすいでしょう。

まとめると、「締切を設定するときは、節目をまたがないように、内容はできる限り具体的に」ということがいえます。

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