苦しい理由と納得せざるを得ない理由

人は理由を添えて頼みごとをされると受け入れられやすい性質がありますが、「それにしてもこの理由はどうなんだろう」と思うものを街で見かけることがあります。以前もそういうテーマで記事を書きましたが、前回書ききれなかった話をします。

「このトイレは防犯のため従業員も使用させていただきます」
商業施設のトイレなどで、このような掲示を見ることがあります。従業員がトイレを利用することがどう防犯につながるのか、イメージが湧きません。「このトイレは防犯のため警備員が巡回します」なら理解できるのですが。

こういう掲示があるということは「なんで客用のトイレを従業員が使ってるんだ」というクレームが入ったことがある、あるいはその可能性があるということなのでしょうか。だとしたら、そんなクレームは相手にしなければいいでしょう。

そもそも商業施設はオーナーのものであり、オーナーあるいは管理会社と契約したテナントは、契約の範囲内でその施設を利用する権利があります。客はその施設を使わせてもらっている立場ですから、トイレを従業員が使っていたとしても文句を言える立場にはないのです。

もちろん店側が「客に使わせてやってるんだ」と上から目線になる必要はないですが、少なくとも客に「従業員もトイレを使わせてください」とへりくだる必要もないでしょう。

「人がいなくても水が流れることがあります。においやつまりを防ぐためです」
これも商業施設などの公共トイレで見かけることがあります。おそらく、男性用トイレの小便器限定の掲示だと思います。無人なのに小便器で水が流れても、たいていの人は何とも思わないでしょう。何のためにわざわざこういう掲示をするのでしょうか。

「誰もいないのに水が流れたぞ!故障してるのか!わざとなのか!わざとだとしたら水がもったいないじゃないか!責任者を呼べ!」こんなクレームを入れた人がいたのかもしれません。いたとしても無視すればいいだけの話ですね。

「他店で買った商品を温めると故障の原因になりますのでご遠慮ください」
近所のコンビニの電子レンジに貼ってあった掲示です。この店は、必要であれば客が自らレンジで温めることになっているのですが、店で買ってない商品を温める客が多かったのかもしれません。

しかし、他店で買った商品を温めると故障するというのは苦しい理由付けでしょう。その店で買った弁当は問題なく温められるが、他店の弁当を温めると故障するということはちょっと考えにくい。同じメーカーの同じ商品でも、他店で買った場合だけ故障するはずがありません。

「当店で買った商品以外を温めることはご遠慮ください」と言えばいいと思うのですが、それではだめなんでしょうか。「うちとしてはダメじゃないんですが、なにせ他店の商品を温めると故障するもので・・・」というニュアンスを出したいのかもしれません。下から目線にも程があります。

「よその商品を温めるのはやめて」というのは店としては正当な要請でしょう。「そんなこと言わずに温めさせろ」という人はもはや客ではないので、退店してもらってOKだと思います。

「やる気がないので休みます」
福岡県にある「横尾青果」という八百屋は、面白い休業理由の張り紙で一部ネット界隈で話題になっているようです。検索すると実際の画像も出てきますが、著作権などの問題があるかもしれないのでここでは貼りません。

「やる気がないので休みます」「従業員老朽化のため休みます」「持病の仮病が再発しました。従業員にも感染したので休みます」など、面白い理由を添えて休業のお知らせを出しているのです。

ここまで行くと、もはや「その理由は本当か?」と詮索する気にもなりませんね。「そっか。やる気がないならしょうがないね」と納得するしかないでしょう。あまり気を遣いすぎて不自然な理由付けをしないで、横尾青果くらいの遊び心をもつといいのかもしれません。

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