空施錠の謎

現在私が住んでいる集合住宅には、宅配ボックスがあります。数か月ほど前、宅配ボックスの前に「空施錠は犯罪です。発見次第警察に通報します」という貼り紙がありました。

宅配業者は、荷物を宅配ボックスに入れて暗証番号を設定して施錠します。そして暗証番号を書いた配達票を受取人の郵便受けに投函します。空施錠というのは、宅配ボックスに荷物が入っていない空の状態で施錠するという意味なのでしょう。

貼り紙を見た当時、私はその意味がわかりませんでした。空施錠の意味はわかるのですが、誰が何のためにそんなことをするのか理解できなかったのです。そのうち、空施錠に関する貼り紙はなくなって、私もすっかり記憶から消えていました。

最近こんなネットニュースを目にしました。「宅配ボックスをキープ?・・・Amazon配達員が勝手に開けて自分の荷物を・・・困惑するマンション経営者」(6/12 西日本新聞配信)というものです。

記事によると、福岡市内のあるマンションでは宅配ボックスの多くがずっと使用中になっていたことから、管理者がマスターキーを使って調べてみました。すると、15あるボックスのうち半分は何も入っていなかったのです。さらに暗証番号が複数の同一数字で設定されていたこともわかりました。

配達元が佐川やヤマトなどの大手物流業者であっても、実際に配達するのは委託を受けた地元の個人事業主ということは少なくありません。そういった個人事業主の知り合い同士で暗証番号を共有し、宅配ボックスを共有していたということです。

この記事を読んで、空施錠に関する貼り紙の意味を理解できました。せっかく配達に行っても、受取人が留守で、かつ宅配ボックスが空いていなければ持ち帰りになります。そこで、悪知恵が働く業者が、宅配ボックスを空施錠するという方法を思いつきました。いくつか空施錠でボックスをキープしておいて、配達の際はそこに荷物を入れておけば、「ボックスに空きがなくて持ち帰り」という事態を避けることができます。

当然、こんなことをされては本来空いているはずの宅配ボックスが利用できなくなります。こんな反則技を使っていないまともな配達員や、その受取人が被害を受けてしまいます。

記事では、単純な空施錠以上の大胆な行動が書かれていました。Amazonの配達員が、すでに荷物が保管されているボックスを勝手に開けて、中の荷物をボックス前に放置し、自分の荷物を入れて立ち去ったといいます。

今回の事例では、閉まっているボックスに片っ端から特定の番号を入れ続け、空いたボックスに自分の荷物を入れる様子がカメラに収められていました。

おそらく、仲間内で共有している番号を入れていたのでしょう。先に荷物を入れていた配達員は、結果だけ見ると荷物を外に放置して立ち去ったように誤解されてしまいます。仲間内で番号を共有して、宅配ボックスを占有するだけでもNG行為なのに、このAmazon配達員はさらに仲間を裏切るという二重のNG行為をしていることになります。

「必要は発明の母」とはよく言ったものですが、こういった人に迷惑がかかる発明はやめてもらいたいものです。

コメントを残す