心の平安時代

インド出身でシリコンバレーの起業家、投資家であり思想家でもあるナヴァル・ラヴィカントは「理性的な人は、自分の力の及ばないことへの無関心を育むことによって、心の平安を得ることができる」という語ります。

これってとても重要なことだと思います。出勤や帰宅のときに、事故が起こって駅のホームや電車の中が大混雑のとき、あるいは道路が大渋滞のとき、誰でも気が滅入るでしょう。

人身事故で電車が止まって、身動きが取れないほど混雑した車両に閉じ込められた経験を何度もしてきました。当然イライラします。しかし、事故にしてもその影響で電車が止まることも車内が大混雑なことも、すべて自分のコントロールの範囲外です。コントロールできないことに心を砕いても仕方ない。そんなことは気にしないで他の有意義なことにエネルギーを使おう。ラヴィカントはそう言っているのでしょう。

自分の主張が周りにわかってもらえない。主張の伝え方を工夫するなど、コントロールできることはいくつかあります。しかし、できる範囲の工夫をしてもわかってもらえないのであれば、その事実を受け入れるしかありません。自分が伝える内容や伝え方はコントロールできますが、それを聞いて相手がどう思うかコントロールの範囲外です。相手がわからずやだとか、頭が悪いんじゃないか、などと悪態をついても事態は好転しません。その事実を受け入れて、次の手段を考える方が建設的です。

コントロールできる部分は最大限努力し、コントロールの範囲外のものは気にしないというのが、心の平安を得るためのポイントです。とはいえ、ほとんどの人はなかなかその境地にたどり着くことは難しい。私だってコントロールできない他人の行動にイライラすることはたくさんあります。

書家、武田双雲の著書『上機嫌のすすめ』には、そんなときの対処法が書かれています。10年ほど前の本で、もう手元にないのでディテールは多少あやふやですが・・・。例えば、電車が遅れているときなど、心の平穏が乱されそうなときは黙って口角を上げるというのです。

感情は表情に現れると言われますが、逆もまた然りで、表情を作るとその表情にふさわしい感情が生まれます。実際にやってみるとわかります。眉をひそめて口を歪めると、何も起きていなくてもなんだかネガティブな感情がわいてきます。逆に、口角を上げて微笑んでいる表情を作ると、穏やかな気持ちになります。

イライラしている、心が乱れていると自覚したときは、まずその原因を特定しましょう。そして、それが自分でコントロールできる物事だったら、冷静にその対応を考える。自分でコントロールできない物事であれば、気にしてもしょうがないと思って切り捨てる。それが難しければ、口角を上げて強制的に心をクールダウンさせる。

それでも鎮まらないこともありますが、私が都度実践している方法です。

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