「FIRE」とは、”Financial Independence, Retire Early”の略語で、貯めたお金の運用益で生活費を捻出して、働かずに暮らす生活スタイルです。例えば、頑張って1億円の資産を貯めて、資産運用で得られる年間300万円程度の金額で生活をして、元手の1億円には手を付けなないという手法です(必要な元手とそれによって得られる運用益の金額は諸説あります)。働かなくてもお金の心配をしなくてもいいというのは魅力的ですね。
ところが、最近のSNSでは「FIRE卒業」というワードがトレンド入りしています。FIRE卒業には2つパターンがあります。ひとつは強制的な卒業です。FIREを達成したものの、インフレや運用益の減少などによって運用益だけで生活することが困難になり、再び働き始めるパターンです。
もうひとつは自発的な卒業です。FIREを達成して自由きままな生活を送っても、多くの人はすぐに耐えられなくなります。最初のうちは、朝起きて会社に行かなくていい、毎日が日曜日の生活は楽しいことでしょう。しかしそれを数週間、数か月続けていると、自由であることは退屈だと感じるようになります。
休暇について、興味深い調査結果があります。スウェーデンのハーティグ教授らが、スウェーデン人の休暇と幸福度の関係を調査しました。まず、仕事を休むと幸福度が上がるということがわかりました。これは予想できることで、特に驚きはないでしょう。
興味深いのはもうひとつの発見です。休暇を取っているスウェーデン人の数が多いほど、休暇を取る人の幸福度が上がったそうです。例えば、月曜日に休暇を取った人もある程度幸福度は上がります。しかし、日曜日に休暇を取った人の方が、他にも休暇の人が多い分、より幸福度が上がるというわけです。
自分の職場のことを考えてみれば納得できますよね。土日休みの職場であれば、土日は職場に誰もいないので安心して休めます。仲のいい同僚と一緒に遊ぶこともできます。この職場で水曜日に有給を取ったとしましょう。自分は休みでも、職場は動いています。「何かトラブルが起こってないだろうか」などと考えてしまって、純粋に休暇を楽しめないかもしれません。
定年退職した人も、土日の方が幸福度が高くなるそうです。一般的には、多くの人が平日に仕事をして土日に休みます。仕事をしていなくても、休んでいる人が多い土日の方が日々を楽しめるというわけです。
FIREを達成した人たちも、最初は「みんなあくせく働いているけど自分は毎日自由だ」と優越感に浸れるかもしれません。しかし、そんな日々がずっと続くと考えると「このまま働かなくてもいいのだろうか」と不安になってしまう人が多いようです。
私の場合、FIREなど夢のまた夢ですが、もし達成できたら週3くらいで塾講師をしながら悠々自適の生活を送ろうと思います。雇ってくれるところがあればの話ですが・・・