前回のブログでは「~じゃよ」といった、フィクションの中で老人や博士が使う言葉について考えてみました。今回はその流れで「女性語」について考えてみたいと思います。
女性語とは、「~よ」「~だわ」といった女性特有の話し方を意味します。女性特有と書きましたが、現実に女性語を使っている女性はあまり見かけません。ただ、ある程度年配の女性の一部が、日常的にこういった話し方をしているのは実際に見たことがあります。また、若い女性でも、たまにおどけたニュアンスで女性語を使うことはありますね。
女性語の起源は明治時代の女学生の話し方にあるようです(諸説あります)。当時の比較的上流階級にある女学生の間で、「よくってよ」「~だわ」といった言い方が広まり、それが中流以上の女性たちに定着したとのことです。
老人語に関してはフィクションの世界でも衰退傾向ですが、女性語はフィクションの世界ではまだまだ現役です。ドラマや映画の世界では、特にある程度重厚感のある作品において女性キャラが女性語を使っています。そういった作品で女性が「~だよ」|~じゃん」といった言葉遣いだと、締まらない感じがするのでしょう。一方で、「等身大の若者」みたいなイメージの人物が多数出てくるような作品では、女性キャラが女性語を使わず一般の若い女性が使っているような言葉遣いであることが多いですね。
小説においては女性語の重要性が増します。映像作品や漫画では、「今話しているのは男性か女性か」というのは見ればだいたいわかります。ところが、小説は文字情報しかありません。そこで登場人物が女性語を話していたら、「このセリフは女性が言ってるんだな」ということがすぐにわかって便利です。
それと、いわゆる「オネエ系」の人たちも女性語を使いますね。一部のオネエ系の人たちは、過度に女性性を強調したメイクや服装をします。女性性の強調の一環として女性語も使っているのでしょう。一方で、見た目がかなり女性に近く、言われなければ戸籍上は男性であるとはわからないような人たちはそこまで女性語を使っていません。こういった人たちは、「女性語を使うのはリアリティがない」と判断して、実際の女性たちが使っている言葉遣いになっているのかもしれません。