プレゼントに潜む罠

嬉しくないプレゼントをもらって困ったことはありませんか。きっと贈る側には悪意はないのでしょう。相手が何を贈られると喜ぶのかよく考えた末にプレゼントを選んでいるのだと思います。

私は小学生の頃、将棋にはまっていた時期がありました。紙と定規を使って作った将棋盤に、紙に書いた駒で将棋を指していました。当時、誕生日が近づいていたときは本物の将棋盤と駒を期待していました。祖父から贈られた誕生日プレゼントは当時流行っていたゲーム機。将棋盤を駒を期待していた私は、わかりやすい落胆の表情を出してしまいました。祖父はかなりぶち切れていたそうです。それは当然です。孫の喜ぶ顔を想像して高額なゲーム機を買ったのに、激しく塩対応をしてしまったのですから。もう少し賢ければ、心で落胆しても「やったー!ありがとう!」と喜ぶこともできたのですが。

ハーバード大学のジーノとスタンフォード大学のフリンは、プレゼントに関して興味深い実験をおこないました。実験の参加者は「プレゼントを贈る側」と「プレゼントを受け取る側」に分けられました。受け取る側は、Amazonで1000円から3000円くらいの範囲内でほしいものリストを作ります。贈る側は、ほしいものリストからプレゼントを選んでもいいし、リスト外のものを自分で選んでもかまいません。

贈る側は、自分が選んだリスト外のプレゼントのほうが喜んでもらえると考えました。しかし、受け取る側はほしい物リストから選ばれたプレゼントの方をはるかに好みました。贈る側は自分で選んだプレゼントを贈りたがったし、受け取る側は自分が指定したプレゼントを欲しがったという結果となりました。

贈る側は、無意識のうちに自分がもらえたら嬉しいものを選びがちです。贈る側は、自分からプレゼントを受け取って「ありがとう!」と喜ぶ相手を想像します。しかし、その「相手」というのは、あなたの想像力、あなたの感性でつくられた虚像であって、本人の心のうちは反映されていません。そこにズレが生じているのです。

小学生だった私は、ゲーム機を受け取った後「もっと将棋にはまっていることをアピールしたらよかったのかな」と後悔していました。しかし、上記の実験結果を見ると、たとえそうしていたとしてもプレゼントの中身は変わらなかったと推測されます。やはり、喜んだ顔で受け取って、次は将棋ゲームのソフトを手に入れることを狙うのが正解だったのかもしれません。

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