二者択一にひそむ罠

私たちは私生活や仕事において、二者択一で物事を決めることに慣れています。食事であれば肉か魚か、志望校を決めるときはA校かB校か、就職するときはA社かB社か、プレゼンではA案かB案か・・・。「お昼は何にする?」と聞かれても、ぱっと浮かばないかもしれません。しかし、「お昼はカレーかラーメンどっちがいい?」と言われれば決めやすくなるでしょう。

私たちがふたつの選択肢からどちらかを選ぶとき、たいていの場合、メリット/デメリットを厳密に比較はしていません。そのときの気分、直感や好き嫌いで決めることが多いでしょう。その日の食事やどこに遊びに行くかを決めるくらいなら、それでもいいかもしれません。しかし、重要な意思決定をするときは二択で決めるのは避けるべきです。

マサチューセッツ工科大学博士でエラーを防ぐメソッドを研究している邱強(きゅう・きょう)によると、二者択一で決定した意思決定の成功率は30%であるのに対して、五者択一の場合は成功率が90%に向上するそうです。二択の場合は、熟考せずに直感や好き嫌いで決められてしまいますが、五択の場合はそれぞれの選択肢の内容を吟味したうえで選ぶようになるためです。

戦争時は極端な二択が利用されがちです。開戦するかどうか議論する際に「戦争か国が滅びるかどちらを選ぶんだ」などという二択を突き付ける人が出てきます。こういわれると「じゃあ戦争だ」と答えざるを得ないでしょう。実際には、戦争か国が滅びるかの二択ではありません。戦争をしないで国も存続する道もあるはずなのに、その選択肢をあえて排除しているのです。

ブラック企業で苦しんていて「このまま会社を続けて苦しみ続けるか、死ぬか」といった二択に直面している人もいるかもしれません。これも「会社を辞めて生きる」という選択肢に気付けていません。このように追い詰められている人は、ひとりで別の選択肢に気付くことは難しいので、誰か身近な人が声をかけて気付かせる必要があります。

重要な意思決定のために、いくつかの選択肢を前にしたときは一度「選択肢はこれですべてなのか?」ということを確認すべきです。必要な選択肢がすべてそろったうえで、それぞれの内容を吟味、比較検討したうえで決めれば成功確率がアップするでしょう。

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