休養と筋肉減少の関係

前回のブログ「スポーツのけがについて考えてみた」に書いたように、現在左足を負傷中です。自力で歩けますが足を引きずりながら、普段の50%~70%くらいのスピードしか出ません。そんな状態ですから、私のライフワークの筋トレもしばらくお休みです。こんなときに気がかりなのは「休んでいる間に筋肉がどれくらい落ちてしまうか」ということです。

私の体型は筋骨隆々というほどではありません。普段運動していない同年代の人たちと比べれば、割といい体をしているという程度でしょう。それでも、普段のトレーニングによって獲得した筋肉が落ちてしまうのは怖いものです。筋トレを日課にしている人はこの心理を理解できると思います。

「休んでいる間に筋肉がどれくらい落ちるか」という疑問について、私が通っているジムは2種類のメッセージを出しています。ひとつは2020年4月、国内で初めて緊急事態宣言が発出されたことにともない、通っているジムも含めて多くのジムが休館したときのものです。このとき、ジムのウェブサイトには「1か月休んだくらいでは筋肉は落ちません。今はしっかり休んで再開をお待ちください」という趣旨のメッセージが掲示されていました。

その後緊急事態宣言が解除され、6月にジムが再開されました。再開後のジムには、「知っていましたか。たった2週間の運動不足で筋肉が2割以上落ちてしまいます」という趣旨の張り紙が掲示されていました。休館中に出されたメッセージと真逆じゃないですか。一体どちらが本当なのでしょう。

2つの相反するメッセージは、実は前提条件が異なるのです。「2週間の運動不足で筋肉が2割以上落ちる」というのは、デンマークのコペンハーゲン大学でおこなわれた実験が元ネタです。この実験には平均年齢23歳の若者17人と、平均年齢68歳の高齢者15人が参加しました。参加者は足に固定器具をつけられて、体を動かせない状態のまま2週間過ごします。2週間後、筋力と筋肉量を計測した結果、若者の筋力は平均で28%、高齢者は23%低下しました。筋肉量は若者が平均485グラム、高齢者で250グラム減少しました。

この実験によって、体を動かさない状態が2週間続くと筋力と筋肉量が相当減るということがわかりました。病気やけがで終日自宅で静養している状態が続くと、この実験と同じような結果になるでしょう。しかし、忙しくてジムに行けないだけで仕事や日常生活はこれまで通りに過ごしている場合は、この実験のような結果にはなりません。

ただ立ったり歩いたりするだけでも、筋肉に一定の負荷がかかります。立つということは、何十キロもの自分の体を、脚や腰などで支えることになります。また、歩くということは自分の体を、主に下半身を使って運ぶ行為です。他にも、食事を作る・食事を運ぶ・自転車をこぐ・会談の上り下りといった何気ない行動でも一定の負荷はかかります。ひとつひとつの負荷は非常に軽いものですが、それが積み重なるとそれなりのトレーニングになります。

普段ジムで筋トレしている人が何らかの事情でジムに行けない日が続いても、それ以外の生活は普段通りだったとしたら、1か月くらいでは筋肉は落ちないのです。日常生活の行動もトレーニングの役割を果たしていて、それが筋肉減少の歯止めになるからです。

私の場合は、足のけがによってジムでの筋トレがストップしているだけでなく、日常生活での行動も大幅に制限されています。したがって、この状態が2週間ほど続くと筋力・筋肉量はかなり落ちてしまうでしょう。ただ、そうなったとしてもトレーニングを再開すれば割と早めに戻ります。

長期にわたってトレーニングを続けてきた場合、半月~1か月程度運動不足が続いても、再開後1か月もすれば元の状態に戻せます。私自身、過去にけがなどで長期休養を何度か経験していますが、いずれも1か月以内に元の状態に戻りました。したがって、焦らず治療に専念するのがいいでしょう。

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