「マシュマロチャレンジ」というゲームをご存知でしょうか。これは、デザイナーのピーター・スキルマンがTEDカンファレンスで紹介したものです。その内容を簡単に説明しましょう。
・4人1組でチームを作り、18分の制限時間内にできるだけ高い塔を建てる
・材料はスパゲッティの乾麺20本、90cmのマスキングテープ1本、90cmの紐1本、
マシュマロ1個
・マシュマロは塔の頂上に乗せる
・高さは塔の根元からマシュマロの最上部までの垂直距離とする
・マシュマロ以外の材料に手を加えてもよい
このゲームには多数のチームが参加し、各チームが一番高い塔を目指します。
このゲームで各チームが立てた塔の高さは平均で約50cmでした。企業経営者、MBA取得者、弁護士のチームの平均値は50cmを大きく下回ります。一方で、幼稚園児の平均値は75cmありました。
なぜこのような結果になるのでしょうか。ポイントは、「まずやってみる」ということです。幼稚園児たちは、制限時間までに試作品を5つほど作ります。幼稚園児のチームは、平均で5分以内に最初の塔を立てます。高さはそれほどでもありませんが、とにかく立ててみるのです。そして試作品を作る過程で、高さや安定感を向上させていきます。
一方で、博識で頭がよい大人たちは、1つ目の塔を立てる前に分析し過ぎてしまいます。事前の分析やシミュレーションに時間をかけ過ぎて、時間が足りなくなります。時間ギリギリになって、慌てて実際に立ててみるのですが、そこで「塔が思ったより安定しない」とか「マシュマロが落ちてしまう」といった想定外の事態に直面するのです。
もちろん、実践する前の準備は大切です。仕事やプライベートで何か大きなチャレンジをするときは、誰でも事前に実現可能性やメリット/デメリットの検討を行うでしょう。しかし、時間は有限です。すべての材料を検討し尽そうと思っていたら、いつの間にかチャレンジする機会そのものが失われるリスクもあります。ざっくりとした肌感覚ですが、全体の8割程度の材料が検討できたら、あとはやるかやらないか、結論を出してしまった方がいいでしょう。