看板に偽りがある場合もある2

前回に続いて、書籍のタイトルについて考えてみます。『人は話し方が9割』(永松茂久)のように、タイトルに割合を入れるのも常套手段です。『人は話し方が重要』というよりも、「9割」のように具体的な数字が入っていた方がインパクトがあります。

本のカテゴリーにおいて「”9割”」でamazon検索してみると、2000件以上がヒットしました(「”」の記号も検索ワードに含む。2022年4月2日の検索結果)。トップに先程の『人は話し方が9割』が表示されています。2番目は『人は聞き方が9割』という本です。こちらも永松茂久氏の著作です。「合わせて10割超えてるじゃないか」と思わないでもないですが、それだけ「9割」というワードが効果的なのでしょう。「○○が9割」のパターンは他にもたくさんあります。

『伝え方が9割』 佐々木圭一
『ブランディングが9割』 乙幡満男
『儲かる会社はホームページが9割』 芝田弘美
『小学生の勉強は習慣が9割』 菊池洋匡
『出版は企画が9割』 山田稔

「伝え方」も「ブランディング」も、大事だと言われれば「まあそうですね」と思うでしょう。「9割」という数字を出すことで、「大事だとは思っていたけど9割もあるのか」という意外性を打ち出せます。

amazonの検索ワードを「”8割”」にすると、ヒット件数は591件と少なくなります。「”7割”」なら328件、「”6割”」なら94件と、割合が減るごとにヒット件数も減ってきます。やはり数字が大きい方がインパクトがあるということなのでしょう。例えば、『デザインは色使いが6割』というタイトルがあったとすると、「色使い以外に大事なものが4割もあるんだ」という印象になって興味を惹きにくくなります。

『ボケの8割は、「水・便・メシ・運動」で治る』(竹内孝仁)という本があります。「水・便・メシ・運動」、それぞれ単体では大きな割合にはならなかったので合体させて8割に引き上げています。それでも9割には達しなかったんですね。「こんな数字匙加減だから9割にしちゃおう」とはならずに、8割に留めておくところが逆に信頼できるかもしれません。

『3日食べなきゃ、7割治る!』(船瀬 俊介)。割合は7割ではありますが、なかなかインパクトがあるタイトルです。「9割治る!」と言われると、胡散臭く感じてしまいますが、「7割治る!」だと、かえってリアリティがありそうです。しかし、治らない方の3割に入ってしまった場合、3日食べなくてお腹が空いた上に病気も治らないという散々な目に遭うリスクがあります。

前回の記事に書いたのと同様に、タイトルだけ見て衝動買いするのではなく、少し中身を読んで自分のニーズに合っているか確かめてから買うのがよいでしょう。

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