スポットライトは誰を照らしているか

「髪型を変えた」「新しい服を買った」「新しい鞄を買った」といったときは、人前に出るのに少し緊張するかもしれません。また、髪型がうまく決まらずに人前に出るときは少し気が重くなるかもしれません。しかし、あなたが心配しているほど他人はあなたのことを気にかけていません。

コーネル大学のギロヴィッチは、自分の行動や外見がどれくらい他人に見られていると思っているのか実験しました。実験では、学生に有名ミュージシャンの笑顔が大きくプリントされたTシャツを着せます。無地とかワンポイントのTシャツに比べると相当目立ちします。学生は教室のドアをノックして中に入ります。教室では他の学生がアンケートに答えています。派手なTシャツを着た学生は、教室にいる実験者に近付いて話をします。実験者は学生に、椅子に腰かけるように促します。そして座るとすぐにまた立ち上がるように言われて、一緒に外へ出ます。自分がこの学生の立場だったらと想像してみてください。かなり居心地が悪いと感じるのではないでしょうか。

教室の外に出た後、実験者は派手なTシャツの学生に「どれくらいの教室にいた学生が、あなたの派手なTシャツに気付いたと思いますか」と質問しました。学生は「半分くらいは気付いたと思います」と答えました。しかし、教室にいた学生に確認したところ、有名人の顔がでかでかとプリントされたTシャツに気付いたのは25%程度でした。

誰しも世界の中心には自分自身がいます。自分が最高にかっこいいと思っている服を着ているとき、大勢の人前で喋っているとき、人前で恥をかいたときには、スポットライトが自分に当たっていて周りの人はみなこちらに注目していると考えます。これをスポットライト効果と呼びます。しかし実際にはスポットライトは当たっていませんし、あなたが思っているほど他人はあなたに注目していません。あなたが他人にどれだけ注目しているか思い出せば理解できるでしょう。

スピーチを控えて緊張しているときは、自分にスポットライトなんて当たっていないということを思い出しましょう。客席にもう一人の自分を置いて、登壇者である自分自身を客観的に見てみましょう。緊張がほぐれるはずです。人前で大恥をかいたときは、しばらく立ち直れないかもしれません。「みんな私のことをバカだと思って呆れてるんだろうな」と思うかもしれません。しかし実際は、そんなことはないのです。ほんの一瞬、あなたに注目するかもしれませんが、数分~数時間後には記憶から消えています。そう考えれば、今までより気楽に生きられるのではないでしょうか。

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