今日はコイントスに関する数学パズルを紹介します。
【問題】
コイントスを扱った確率問題では、表と裏が出る確率は等しく、それぞれ50%という前提がありますが、今回のコインは歪んでいて、表が出る確率pが50%とは限りません。確率pは0より大きく1より小さいことはわかっていますが、具体的な確率は不明です。あなたと私がコインを使って賭けをするとします。あなたは表、私は裏に賭けます。もし確率pが60%であればあなたが有利で、p=40%ならば私が有利な賭けになります。これでは公正な賭けになりません。この歪んだコインを使って公正な賭けをするにはどうすればいいでしょうか。
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【解答】
2回コイントスをして、1回目表、2回目裏という結果の場合を【H】、1回目裏、2回目表という結果の場合を【T】と書くことにします。
歪んだコインを投げて表が出る確率をpとすると、【H】になる確率は、p(1-p)です。また、【T】になる確率もp(1-p)です。したがって、コインを2回投げて表⇒裏という結果になるか、裏⇒表という結果になるかの2択で賭けると公正な賭けが成立します。2回投げて表⇒表、あるいは裏⇒裏という結果になった場合はやり直しになります。
【補足】
ちなみに表が出る確率p=50%の場合、この賭けが決着するまでにコインを投げる回数の期待値は4回です。pが50%から離れて0%、または100%に近付くにつれて決着がつくのに要する回数の期待値は大きくなります。これは直感的にも理解しやすいでしょう。pが100%に限りなく近付けば、コインを2回投げて表⇒表となってやり直しになる確率も100%に近付きます。つまり、いつまでも終わらない可能性が高くなるということです。
コインを2回投げて表⇒裏となることを【H】、裏⇒表となることを【T】とするのに加えて、コインを4回投げて表⇒表⇒裏⇒裏の場合も【H】、裏⇒裏⇒表⇒表の場合も【T】としてみると、決着がつくまでに要するコイントスの回数を減らすことができます。こうすることによって、やり直しになるケースを一部つぶすことができるからです。
セルバン・ナクとユヴァル・ペレスの論文「Fast Simulation of New Coins from Old」ではこの問題をさらに深掘りして、確率の偏りに関わらず決着するまでにかかる回数の期待値を最小にする方法が研究されています。興味がある方はぜひ読んでみてください。