私はかつて「たくさん本を読む」ということを目標にしていた時期がありました。最高で1か月に50冊読んだこともあります。そのころは、冊数をこなすことが目的になっていて、今思い返しても当時読んだ本の内容はあまりよく思い出せません。読書のペースがそこまで早くなかった時期に読んだ本でも、その本の概要と面白かったポイントをスラスラと話せる本は多くありません。せっかくそれなりの金額と時間を投資しているのに、内容をほとんど忘れてしまっているというのはもったいないことです。それに気付いた私は、最近になってペースを落としても1冊の本をじっくり読むことにしました。
具体的な読み方を以下に説明します。まず、要所を拾い読みします。10分程度拾い読みすれば、その本がじっくり読む価値があるかわかります。その価値がないと判断した本は、一通り読んで本棚に戻します。価値ありと判断した本は、ノートを傍らに置いて精読します。そして、心に響いた部分や学びがあると感じた部分について、自分なりにノートにまとめます。本に書いてあることをそのまま書き写すこともありますし、自分なりの解釈や図表を付け加えたり、要約したりすることもあります。こうやって読むと、本の内容が確実に頭に残ります。また、書き留めた内容を適切な場面で応用することもできるようになります。
当然、このような読み方をするとスピードは格段に落ちます。しかし、10冊読んでほとんど内容を忘れてしまうよりは、1冊の価値ある本の内容を隅々まで味わい尽くした方が私にとってはプラスになると考えています。
ただ、20代くらいまでの若いうちは、幅広いジャンルで多くの本を読みまくるのもいいと思います。そうやって数をこなしていくうちに、自分に合っている、あるいは興味があるジャンルが絞り込まれていきます。また、読む価値がある本を見抜く能力も備わってきます。そうなったらじっくり時間をかけて読む方法にシフトするとよいでしょう。