効果的な質問をしてみよう

あなたがあるプロジェクトのリーダーだとします。現時点でプロジェクトの進捗が順調ではありません。軌道修正するために、あなたはチームのメンバーにどのような働きかけをするでしょうか。

「進捗が遅れています。このままだとプロジェクトは失敗に終わります。早急に立て直してください」このような指示を出しておしまいというのは、かなり良くない対応です。そんな指示だけで状況が改善するのであれば、リーダーが何も言わなくても改善しています。

このような状況において効果的な質問をすることで、メンバーが自ら対策を思いつく手助けをすることができます。まずは効果的でない質問の例を見てみましょう。

●「プロジェクトは成功できそうですか?」
これはあまりよくない質問です。リーダーにこう問われたら、メンバーとしてはイエスと答えざるを得ません。「ちょっと難しい部分もありますが、頑張ればなんとかいけそうです」「そうですか。じゃあ頑張ってくださいね」といった意味のないやり取りを交わして、事態は何も変わらないという結果に終わるでしょう。


●「プロジェクトが遅れているようですがどのような対策を考えていますか?」
これもあまりよくない質問です。形式的には質問ですが、実質的には「対策を考えろ」という指示になっています。これを言われたメンバーは、「これらの対策によって、プロジェクトの遅れを取り戻します」という最終メッセージありきの対策書を作ります。例えば、来月末までに50%完成していなければならないのに、このままでは来月末の進捗が30%に終わりそうだとします。メンバーは足りない20%を埋めるために様々な対策を考えて、スライドに盛り込むでしょう。おそらくその対策の半分くらいは考えた本人も「たぶん効果はないだろう」と思っているはずです。そして、メンバーが対策をリーダーに説明し「これで巻き返します」と宣言して、リーダーが「わかりました。頑張ってください」と言って対策会議は終了。来月末の結果は、手なりで行けば30%で終わっていたところが35%くらいまで巻き返して終わりといったところでしょうか。

●プロジェクト成功の妨げになるものはありますか?それは何ですか?
●過去に戻ってプロジェクトをやり直せるとしたらどの時点に戻って何を変えますか?
●人や予算などのリソース制限がなければ、何をどれだけ、どのように利用しますか?

これら3つは、効果的な質問の例です。「XXXが原因でプロジェクトが進まない」「あと3人はエンジニアがいないと期日には間に合わない」といった話は、メンバーからはしにくいものです。上記のような質問をして、リーダーが積極的にそのようなネガティブな情報を引き出すべきです。そうやって、現状と理想の状態にどれだけ乖離があるか把握することで、現実味のある対策を考えられるようになります。

メンバーは追加予算が必要だと感じているが「どうせ却下される」と思って胸に抱えたまま、というケースが考えられます。この場合、メンバーは現状の予算をもとにした改善案を考えるのですが、うまくいく可能性は低いでしょう。「メンバーは追加予算が必要だと考えている」という事実をリーダーが認識できれば、別の現実的な対策が取れます。リーダーの権限でしかるべきところに掛け合って追加予算を取ってくるとか、追加予算が無理でもコスト削減によって使用できる予算を増やすといったことができるかもしれません。これらは、全体を俯瞰できて一定の権限も持っているリーダーだからできることです。

このように効果的な質問をすることで、見えなかった問題点をあぶり出せる場合があります。ぜひ利用してみてください。

コメントを残す