グーグルの面接改革2

前回に引き続き、採用面接の精度を高めるためにグーグルが行った面接制度の改革について紹介します。

・参考記事
採用面接 VS コイン投げ
当てにならない面接の評価
グーグルの面接改革

グーグルの面接は下記の三原則に基づいて行われます。

1.意思決定を構成要素に分解する
2.評価を独立させる
3.総合判断は最後に行う

最初の原則「意思決定を構成要素に分解する」について説明します。合否を決めるのにどんな情報が必要かを見極めて、不要なものをふるいおとして評価項目を決定します。グーグルでは、認知能力・リーダーシップ・グーグルの文化に対する適性・職務関連知識の4つが評価項目として設定されています。これらの項目の一部はさらに細分化されています。これくらいのことであれば、グーグル以外でも実践している会社はたくさんあるでしょう。しかし、「評価を独立させる」という2つ目の原則はほとんどの会社ができていないと思います。

「評価を独立させる」というのは、評価項目ごとに応募者に質問をして、その都度評価をすることを意味します。一般的な面接では、複数の評価項目について面接が終わってから採点します。評価項目が認知能力・リーダーシップ・適性・職務関連知識の4つだとすると、面接が終わってから4つの項目をまとめて採点するわけです。しかしこの方法だと、各項目の評価は、面接官が応募者を気に入ったかどうかに大きく左右されることになります(そして面接官が応募者を気に入るかどうかは第一印象に大きく左右されます)。面接官に気に入られた応募者は、各項目の評価について高いゲタを履かせてもらえます。気に入られなかった応募者はその逆になります。これでは面接の精度が落ちてしまうでしょう。

私も思い当たるフシがあります。私が面接官をしていたときは、決められたシートがあって、そこに記載されている複数の評価項目について採点した後、最終的な合否を決めることになっていました。しかしほとんどの場合、面接が終わった時点で頭の中で合否が決まっていました。そして、その合否から逆算して各項目を採点していたのです。

項目ごとに評価することによって、こうした弊害を防ぐことができます。面接官は、評価項目に対応するあらかじめ決められた質問ををして、その回答をもとにすぐに採点します。これにより、第一印象や面接官の好みに左右されない客観的な評価ができるのです。この面接方法について、まるで尋問のようだと感じる人もいるでしょう。面接官としても、だいたいの評価項目は頭に入れつつ話の流れによって臨機応変に質問内容を変える方がやっていて楽しいと思います。しかし、「評価項目を分解し、独立して採点する」という方法は将来の実績との相関性が高いという調査結果が出ています。相関係数は0.44~0.57で、パーセンテージでいうと65~69%です。一般的な面接の56~61%と比べると、よい人材を選べる確率が高まります。

3つ目の原則「総合判断は最後に行う」について説明しましょう。グーグルでは、採用委員会が合否について最終的に判断します。採用委員は、複数の面接官が独立して判断した評価項目の採点結果や、実技試験などその他のデータに基づいて合否を決定します。ここでは、ある程度の直感が働く余地があります。とはいえ、最終判断の段階で用いられるデータは、偏見や面接官の好みによるブレが極力排除されているため、誤った判断をするリスクが抑えられているのです。

「面接時には素晴らしい人材だと思ったのだが、入社してから成果が上がらないことが多々ある」という会社は、これまで説明した新しい採用面接システムを導入してみてはいかがでしょうか。

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