多くの人が職場などでマニュアルを読んだことがあるでしょう。私も数多くのマニュアルを目にしてきました。そうした経験から、一瞥して「これはダメだ」とわかるマニュアルがあることを発見しました。複数回のコピーを経て字や図表がかすれているマニュアルは、中身を読まなくても価値がないことがわかります。「見た目が良くなくても中身がしっかりしていればいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、私が見てきた限りでは、コピーを繰り返して見た目が悪いマニュアルは、中身も誤字が多かったり内容に間違いがあったりでマニュアルとしての役割を果たしていませんでした。
本来、マニュアルは原本データが適切に管理されている必要があります。「適切に管理されている」というのは以下のような状態です。
・しかるべきスタッフにのみ編集権限が与えられている
・バージョン情報が記録されている
・旧バージョンがすべて保存されている
・どれが最新バージョンが一瞥してわかるようになっている
そして、原本データを印刷して使うようにして、印刷済のものをコピーはしないようにします。マニュアルを改訂した場合は、原本から最新版を印刷して配布し、旧バージョンの印刷済マニュアルはすべて廃棄します。こういった管理をしないで手元にある紙のマニュアルをコピーして使っていると、以下のような弊害が生まれます。
・字や図表がかすれて読みにくくなる
・最新版でないマニュアルを使うことによって誤っている個所が出てくる
「マニュアル通りに進めたらエラーが出てしまいました」「ああ、マニュアルのバージョンが古いんですね。今はこうするのが正解です」・・・似たような経験をした方は多いのではないでしょうか。絶対的「正」であるはずのマニュアルなのに、こういうことがあるとマニュアル使用者全体に「マニュアルには従わなくてもいい場合がある」という空気が浸透してしまいます。
マニュアルを何代もコピーして使う現場では、スタッフにマニュアルを大切にする意識が浸透していません。そのため、印刷されたものに誤字や誤りがあっても無頓着なのです。また、改訂版が発行されても入れ替えずに、手元の旧バージョンに手書きの修正を加えるなどして使い続けてしまいます。そういった現場では、まず最新版のマニュアルの原本データを印刷して旧バージョンと入れ替えてみましょう。そうすることによって、マニュアルに対する意識も高まるはずです。