合意のもとでの時報ジャック

ローソングループは、2021年にアーティスト活動40周年を迎える布袋寅泰の関連新商品を発売したり、特別企画を実施したりしているようです。私が気になったのは、「時報ジャック」という企画です。ローソンストア100の店内時報の読み上げを布袋寅泰が担当するというものです。
多くの日本人は、「ハイジャック」という言葉を「飛行機を乗っ取ること」と解釈していますが、それは誤解です。英語のhighjackは、「乗り物などを乗っ取ること」という意味で、バスでも電車でも乗り物を武力などで不法に乗っ取ればそれはハイジャックなのです。「バスジャック」とか「シージャック」といった表現は日本で生まれた造語であり、英語圏では通じません。
上記の点に目をつぶったとしても、「時報ジャック」という表現には違和感が残ります。「ハイジャック」という言葉に準じて「時報ジャック」という言葉が存在すると仮定したならば、それは「時報を乗っ取ること」という意味になるでしょう。布袋寅泰がマシンガンとギターを肩に下げて、ローソンの時報アナウンス室(そんなものがあるかは不明ですが)に乗り込んで「今からローソン100の時報は俺がやる!」と叫んでいる姿が想像できます。しかし、実際にはそんなことはないでしょう。BOØWY時代の一番尖っていた頃の布袋であればあり得なくもないかもしれませんが、ギタリストとして成功をおさめ、家庭もある今となっては失うものが大きすぎます。そもそも、プレスリリースで「時報ジャックを実施!」とか言っている時点でやらせであることを公言しているようなものです。話題のドラマが始まる前に、ドラマの出演者がその局の様々な番組に立て続けに出ることを「電波ジャック」などと言ったりしますが、これも実態は合意の上でのことでしょう。
コンプライアンスに厳しい昨今、ちょっとでも過激な言葉を使うとSNSでは批判が沸き起こってネットニュースになる時代です。しかし、この誤った「〇〇ジャック」という表現はまったく無傷なのは不思議です。

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