To Doリストの運用方法

以前の記事で、To Doリストのメリットなどについて書きました。今回は、架空の営業職、広田さんの例を見ながら実際の運用方法について紹介します。

出勤したらまずTo Doリストを記入するノートなり、アプリを開いてリストを作成します。メールをチェックしたり、ネットニュースを見たりしたくなる誘惑を断ち切ってリストを作りましょう。まずは「今日のリスト完成」をタスクとして書き出します。タスクを書いたら予想される所要時間も分単位で記載します。同様にメールチェックや商談資料プリントなど、今日のタスクをどんどん書いていきます。今日絶対にやらなければならないタスクには☆マークを付けます。5分もすれば以下のようなリストが出来上がります。16個のタスクがあって、予想所要時間は366分、約6時間です。予想所要時間が今日の所定勤務時間(たいてい7時間から8時間程度)を上回っていれば、残業になるのが濃厚ということです。定時で仕事を終わらせるには、「一部のタスクを誰かに振る」「一部のタスクをしなくてもいいようにする」「一部のタスクを明日以降に回す」といった対応が必要になります。

このように今日すべきことを可視化すると、頭の中が整理されてスッキリします。画像はデジタルデータですが、紙に手書きでも問題ありません。私は手書きの方が好みです。
To Doリストを作らずに仕事を進めると、「他にもやることがあったんじゃないか」「何か大事なことを忘れていないか」と不安になったりします。To Doリストがあればそのような不安の大部分は解消されるでしょう。リストが完成したら、ひとつ目のタスク「今日のリスト完成」は消し込みます。わざわざ「今日のリスト完成」をタスクとして書き出す意味について説明します。
Ran Kivetzはコーヒーショップのスタンプカードを使って実験をおこないました。スタンプカードは2種類あります。カードAは、スタンプを押す欄が10個あり、スタンプは1つも押されていません。カードBは、スタンプを押す欄が12個あり、スタンプはすでに2つ押されています。いずれのカードも、スタンプの欄がすべて埋まるとコーヒー1杯が無料になります。実験の結果、カードAを持った被験者よりカードBを持った被験者の方が早くスタンプをいっぱいにしました。どちらのカードも、無料のコーヒーをゲットするためにはコーヒーを10杯飲む必要があるのは同じなのですが、被験者の行動には違いが生じたのです。
広田さんのTo Doリストで「今日のリスト完成」を書かなければタスクの数は15個です。書けばタスクの数は16個で、書き上げたら残り15個です。残りの数は同じですが、先程のスタンプ理論を当てはめると16個のタスクのうちすでに1個を終わらせた状態の方が、仕事へのモチベーションが上がるはずです。
このまま、営業部朝礼までに8番目の「営業部朝礼での報告事項まとめ」まで片付けてしまいましょう。完了したタスクは、予想所要時間の右に実際の所要時間を書き加えます。予想所要時間と実際にかかった時間を比較することで、予想の精度が向上するでしょう。メールをチェックしたら、岡本部長から要返信の質問が来ていました。また、総務部から人事部アンケート依頼のメールが来ていました。この2件は新しいタスクとして書き加えます。朝礼前の時点でTo Doリストはこうなりました。

朝礼前の時点で半分近いタスクを終わらせることができました。朝礼後には比較的時間がかかり難易度も高そうなタスクが控えていますが、「朝の時点でここまでタスクが終わった」という事実が広田さんのモチベーションを高めるはずです。
一番下の「人事部アンケート回答」というタスクはメールチェックの結果増えたものです。人事部から提示された回答期限は1週間後でしたが、すでに完了しています。数分で終わるような新規タスクは、なるべく発生直後に処理してしまいましょう。このような緊急性も重要性も低そうなタスクを「締切前にやればいいか」と思って後回しにすると、忘れてしまいがちです。そして締切後に「アンケートの回答期限を過ぎています。至急提出ください」とメールが来たり、電話が来たり、直接声をかけられたりします。さっさと提出しておけば催促によって広田さんの時間が奪われることはないそ、人事部の手間も減ってみんなハッピーですね。
そして今日の勤務時間残り20分の時点でTo Doリストはこうなりました。

「外食産業の動向リサーチ」のタスクが残ってしまいました。残り時間は20分。メールやネットニュースを眺めていたらあっという間に過ぎてしまう時間です。ここで先程紹介したスタンプカードの理論が登場します。終業まであと20分で、30分くらいかかりそうなタスクが1つだけ目の前にあると「明日でもいいか」と思うかもしれません。しかし広田さんの目の前にあるTo Doリストには18個のタスクがあって、そのうち17個は終わっていて残りは1つです。ここまで来たら、あと1つタスクを処理して今日のタスクを全消ししたくなりますよね。リストを見た広田さんは奮起して、外食産業の動向リサーチを20分で終わらせてTo Doリストをすべて終わらせることができました。
もちろん、毎日すべてのタスクを処理しきれない日もあるでしょう。その場合、未処理のタスクは翌日のタスクとして繰り越します。何度も繰り越しているタスクは、自然に頭に残って「このタスクを終わらせたい」というモチベーションを引き出します。

さて、ここまでTo Doリストの運用方法について紹介してきました。自分の使いやすいようにアレンジして、ぜひ活用してみてください。

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