望ましい行動を取らせるための報酬の与え方

相手に望ましい行動を取らせるために、報酬を与えるという方法がよく利用されます。「子どもがテストでいい点を取ってきたら誉める」「部下が営業目標を達成したら昇給させる」。いずれも太字の部分が報酬であり、子どもや部下は報酬を求めてますます頑張って勉強したり、仕事に打ち込んだりします。「説得とヤル気の科学」によると、報酬の与え方は5種類あって、それぞれ特徴があります。望ましい行動を定着させるためには、これら5つの方法のうちどれが効果的か見極める必要があります。

1.連続強化
対象となる行動を取るたびに報酬を与える。

2.変動比率
対象となる行動を取った回数を基準にして報酬を与える。
回数は一定ではなく、3回のときもあれば10回のときもある。

3.変動間隔
あるときは5分、あるときは30分など、変動する間隔で報酬を与える。

4.固定比率
対象となる行動を取った回数を基準にして報酬を与える。
例えば「営業目標を5回達成すると昇給する」など。

5.固定間隔
常に一定の間隔で報酬を与える。

連続強化
連続強化の例として「子どもが家事の手伝いをするたびに100円与える」などが挙げられます。連続強化は新たな行動を定着させるのに適しています。例の場合、子どもは100円が欲しくて積極的に家事の手伝いをするようになるでしょう。しかし、しばらくすると手伝いをする頻度が下がりがちです。また、報酬を与えるのをやめると望ましい行動も止まりがちになります。

変動比率
ギャンブルの報酬は変動比率に基づいています。例えば、パチンコは10回転で当たりが来ることもあるし、1000回転しても当たりが来ないことだってあります。ソーシャルゲームの「ガチャ」もそうですね。すぐに目当てのアイテムを引くこともありますし、何回やっても雑魚アイテムしか出てこないこともあります。いつ当たりが来るかわからないというのがポイントです。プレイヤーは、大ハマリしても「次こそ当たりなんじゃないか」という思いにとらわれて、やめ時を逃してしまいます。変動比率は、望ましい行動を長く続けさせるのに適しています。

変動間隔
「抜き打ち」は変動間隔の一例です。チェーン店で、いつも月末に本部から視察が来るとわかっていれば、月末だけ店内清掃に力を入れて、それ以外の時期は適当に・・・ということも可能になります。視察がいつ来るかわからなければ、店長は常時店内を清潔にしていつ見られてもいいようにしておこうと思うでしょう。変動間隔は、新しい行動の定着には不向きですが、いったん定着した行動を安定的に続けさせるのに適しています。

固定比率
スタンプカードは固定比率の一例です。お店のスタンプカードを1個もらっただけでは何も起こりませんが、一定の個数をためると何らかの報酬がもらえます。客はスタンプをためるために頻繁に店に通うようになります。スタンプが満タンになって報酬と交換すると、店に通うモチベーションは低くなりがちです。
ソーシャルゲームでも固定比率が利用されています。例えば、プレイするとポイントがたまり、一定のポイントに達するとボーナスがもらえるような仕組みです。プレイヤーはボーナスを目指してゲームに励みます。ボーナスをもらった後も、より豪華なボーナスが提示されて、プレイヤーはゲームをやり続けることになります。

固定間隔
変動間隔のところで説明したように、固定間隔は相手に望ましい行動を取らせるのに適していません。

報酬の与え方の特徴を把握して、効果的に利用してみるとよいでしょう。

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