ややこしい表現をするけど、たいしたことは言っていない人たち

世の中には、ややこしい表現をするけど実はたいしたことは言っていない人がたくさん存在します。私がかつて在籍していたスタートアップ企業ではそういう人たちがたくさんいました。

英語を混ぜてくる

「その件に関してはアグリーです」
「今回の人事で一部社員にハレーションが起きている」
「価格面でネゴっている状況です」

外資系証券会社出身の役員がよく英語を交えた文章を駆使していました。英語を使うことによって、すごく深いことのように見せたい気持ちがあったのでしょう。それぞれ、英語を使わない表現にすると、

「その件に関しては同意します」
「今回の人事で一部社員に悪影響が起きている」
「価格面で交渉している状況です」

日本語だけでも問題なく意味が通じますね。しかし、意識が高い人たちが集まる会社などではなるべく英語を挟んだ方がいいかもしれません。その方が社内に溶け込めて仕事がしやすくなるでしょう。応用編として、「昼に激辛カレーを食べたせいでハレーションが起きている」とおなかを押さえながら言うなど、直接的な表現を避ける使用法もあります。

~と思っていて

意識高い系の人たちが多用する表現の一つです。「この件に関しては早急に調査を進める必要があります」と言うところを、「この件に関しては早急に調査を進める必要があると思っていて~」と言ったりします。「て」の後は伸ばし気味に発音します。「思っていて~」の後にその件に関する話題が続くのかと思いきや、別の話題に移ることもしばしばです。「必要があります」と断言はしたくないから表現を和らげたい。「必要があると思います」よりもさらに和らげたい。そこで、言い切る形ではなく「て~」を使って「私はこのように思っていますが・・・どうですかね、みなさん・・・」というニュアンスを出しているのでしょう。
私が在籍していた会社の役員がこの表現が大好きで、1分間話すと5回は「~と思っていて~」というサウンドが聞こえたものです。その役員が会議で資料の説明をする際、「資料の4枚目を見てほしいと思っていて~」と言ったときはさすがにやりすぎだと思いました。

~という理解ではあります

「現状の数字は非常に厳しいという理解ではあります」なんて言い方もよく聞きました。これも、断言を避けてなるべく穏やかな表現にしたいという思惑が込められています。そして、「理解」という言葉を使うことで「適当に考えているわけではなく、数字を精緻に分析しているんですよ」ということを伝える意図があります。さらに、「理解です」ではなく「理解ではあります」ということで、「他にもいろいろな解釈があるけど熟考した結果この結論に至った」ということを言外に匂わせています。
単に「現状の数字は非常に厳しいです」だと、「じゃあどうするんだ!」「対策を考えているのか!」という突っ込みが入りそうですが、 「現状の数字は非常に厳しいという理解ではあります」 と言っておけば「なるほど、精緻に分析した結果、厳しいという結論にたどり着いたんだな」と思われて追及の声も緩むでしょう。
「~という理解ではあります」を多用していると効果が薄れてくるので、時折「~という整理ではあります」など別の表現を使うとよいと思います。意味は同じです。

失念

要は忘れていたということなのですが、「失念」という言葉を使った方が「特別な事情があって忘れていた」というニュアンスを出せます。「この前依頼した件、確認できましたか」と言われて「申し訳ありません。忘れていました」だと、「お互い仕事でやっているんですよ。遊びじゃないんだから『忘れてた』はないでしょう」なんて言われて、社会人としての資質すら疑われてしまいます。そこで、「申し訳ありません。失念していました」と言えば、「そうか・・・単に忘れていたのであれば怠慢だけど失念だったら仕方ないですね」となってピンチを凌げるかもしれません。

今回紹介した表現は、個人的には好きではないので私はあまり使うことはありません。こういった表現を使うことに抵抗がない人は、効果的に使うと、より仕事を円滑に進められるようになるかもしれませんね。

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